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概要

ROOT No.22

円柱球 アルキメデスは,球の体積や表面積を求める研究も行いました。そして,球の体積がそれに外接する円柱の体積の3 分の2であり,表面積もまた外接する円柱の3 分の2(つまり円柱の側面積)であることを発見しています。彼はこの美しい関係にとても感動し,自分の墓にそのことを刻んでほしいと友人に頼んだそうです。 さて,それから2000 年以上が過ぎ,冒頭に述べたフィールズ賞が1936年に始められました。受賞者に送られるメダルの表面にはアルキメデスの肖像が,裏面には彼の墓に刻まれたという円柱に内接する球のデザインが施されています。受賞した際には,ぜひご覧ください。球と円柱の関係『 アルキメデスの数学』,伊達文治( 森北出版,1993年)「 星田直彦」名義での城田先生の新刊『楽しくわかる数学の基礎』( SB Creative サイエンス・アイ新書)もぜひご覧ください。参考文献ます),その周の長さを求めました。さらに,正二十四角形,正四十八角形,そして,正九十六角形まで計算を進めました。同様に,円に外接する正六角形,正十二角形,……,正九十六角形の周の長さを求め,円周の長さを内外の正九十六角形の周の長さに挟み込んだわけです。こうして,円周が直径の   倍よりも大きく,   倍よりも小さいことがわかったのです。この値が,およそ3.14です。17 世紀に入り,ドイツのルドルフはアルキメデスと同じ方法で正262角形の周の長さを計算し,円周率を35 桁まで正しく求めました。ご案内算数・数学情報誌 ROOT No.22 13