ブックタイトルROOT No.22
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ROOT No.22
――出前授業はどのような感じでされていますか。 「統計の出前授業」と聞くだけで子どもたちは「えぇー」と引きます。何か難しいことをやらされるんじゃないかと思うようです。なので,そこは工夫して,まずは「和歌山県で暮らすパンダは何頭?」とか「和歌山県の大きさは全国で何番目?」といった選択式のクイズを出します。選択式だと答えや??すいので。その後,正解をグラフで見せて「こうすると比べやすいですね」と伝えます。 子どもたちは何かを比べたりすることが大好きです。特に,自分が住んでいる地域の話だと興味を持ってくれます。例えば,和歌山市のケチャップの消費量はずっと全国1位なのですが,この話をすると「なんでケチャップが1 位!?」と大爆笑してくれます。和歌山市のケチャップの消費量が全国1位だというはっきりした理由はわかりません。 私たちが伝えるのはあくまでも統計の入り口の部分までとして「統計でこんなことがわかるよ」「和歌山県が全国1 位のものってこんなものがあるんだよ」ということを伝えています。統計に興味を持ってもらうことが私たちの目的です。ともあり,そこで冊子を配布させていただきました。世間的にも「統計って非常に大事だね」という機運が高まり始めたころで,ちょうど良いタイミングでした。 国からも統計局からも「統計教育が大事」と言われていますが,それを行うための定められた方法があるわけではありません。各都道府県で工夫しながら取り組まれていると思います。和歌山県の調査統計課は教育のプロではありませんので“ 教える” ことはできませんが,そこは先生方にお任せして「統計っておもしろい!」を伝えることを目的に活動しています。――出前授業を始められたのは いつごろからですか。 本格的に出前授業をはじめたのは平成28 年度からで,その年は小中学校あわせて14 校へ行き,のべ1500 人ぐらいを対象に授業を行いました。翌平成29 年度は27 校で同じく1500 人くらいです。初めのころはこちらから「授業をさせてくれませんか」と呼びかけたりもしていましたが,初年度はテレビや新聞などのマスコミに取り上げられたこともありましたし,今では保護者の方や校長先生からの口コミもあるようで,こちらから呼びかけをすることはほとんどなくなりました。 学校からの依頼と希望日を聞いたら,職員の誰が行くのかを調整します。県職員として,本来の調査の仕事がありますので,スケジュールを見て決めます。学校にはカリキュラムがあり,どのクラスにも平等に授業をする必要があるので,1 日に数クラスを回ることもあります。体育館に保護者の方などにも入っていただいて700 人ぐらいの前で授業をしたこともあります。 子どもたちはパワフルなので授業が連続になるときつくなることもあります。そういったときは2,3人で行かせていただくこともあります。そう考えると先生ってすごいですよね。2年間で約3,000人を対象に授業を行いました。▲調査統計課 田端さん(左)古川さん(右)算数・数学情報誌 ROOT No.22 3