ブックタイトルROOT No.22
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ROOT No.22
――出前授業は地域や学校の実態に応じて内容を 変えたりしていますか。 基本的にはどこに行っても授業内容は同じなのですが,「うちの地域の特色を出してほしい」という要望をいただくことがあり,できる限りですが対応しています。印い南なみ町だと特産のスターチス(花)の良いデータがあったので使いました。やはり地元のデータの方が親しみもわくようです。 和歌山県は南北に長いので紀北の学校で梅の産地と言っても子どもたちはピンとこないようですし,逆に紀南の方で桃の産地だよと伝えても「ええっ」と驚かれます。みかんの収穫量が全国1位であることはみんなわかっていますが,梅や桃のことは意外と知らないのだなぁと,こちらにも気づきがありました。ほかにも,和歌山県の人口が減っていることをほとんどの子どもたちは知らないのです。それも驚きでした。 先生方には「統計を使えば未来がちょっと見えるんですよ」という話をさせてもらっています。 中学生には「データに騙だまされないように」という授業もします。グラフの横軸の幅が途中から変わっていくものや,「満足度98%」というアンケート結果に対して,質問の仕方は適切だったか,というものです。 授業を受けたあと,子どもたちにアンケートを書いてもらうのですが,「和歌山には1 位のものがいっぱいあることがわかって嬉しい」とか「統計は重要なので国勢調査が来たら親に書くように言います」とか書いてくれていて,とても嬉しいです。これは私たちにとってありがたいことです。 この出前授業では,特に小学生から「なんで?」とか「こんな場合はどうなるの?」とか,豊富な反応をもらえます。「こんなところで子どもたちは反応するんだな」「次はこのネタでやってみようか」と次の授業に生かせます。また本来の業務である子どもたちの反応を見て,興味が持てるものを出せるようにしています。――出前授業は要望が増えていきそうですね。 将来的には出前授業の依頼はもっと増えて欲しいのですが,時間が割けるのか難しい面もあります。特に国勢調査や経済センサスなど,大規模調査の時期は,実施1 年前に始まる準備から調査後のチェックに至るまで,本来の業務が大忙しになるので,どれだけご依頼に対応できるかは課題です。出前授業は増えてほしいですね。 県によっては,ご退職された元先生など,出前授業だけを専門に行う人材を確保しているところもあると聞きます。それには,教える人が元先生というプロの良さがあります。私たちは,言葉のキャッチボールをし,子どもたちの反応を次に生かしていくことを大切にしたいと思っているので,できる限り職員でやっていくつもりです。調査の参考にもなり,この関係が良いなと思っています。▲出前授業のようす4 算数・数学情報誌 ROOT No.22