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概要

ROOT No.23

街の本屋さん突撃! 子どもたちにとって絵本とは,両親や祖父母,園の先生など,誰かとコミュニケーションをするためのツールだと思います。実際に子どもたちが書店で本を選ぶときは,「先生に読んでもらった本だ!」「保育園で見たから知ってる!」と言っている光景がよく見られます。その絵本が「おもしろい」ということはもちろんですが,子どもは絵本を通じて,読んでくれる大人と一緒に過ごす「時間」を大切にしていることがわかります。 『100かいだてのいえ』は主人公のトチくんが100 階建ての家を探検しながらのぼるお話ですが,動物のしぐさや家具など,大人が読み飛ばしてしまうような細かい部分に子どもが気づくこともあり,会話がはずむ,遊び心いっぱいの絵本です。 大人向けの本は挿し絵がなく,字だけでお話が進んでいくものが多いですが,子どもの絵本は字がなくても,絵だけでお話が進んでいきます。字を読まなくてもわかるようにきちんと絵が描かれている絵本には,小さいお子さんにも楽しめる工夫がたくさんあります。長い文章が書いてある絵本であっても,読み手の大人が内容を把握して「これはこうだよね」と語りかけながら進めることで,子どもは文章を読まなくても絵だけでお話を楽しむことができます。絵本に出てくる人物や動物たちの動きを目で追いながら,「次はどうなっているかな」と大人と子どもが楽しくコミュニケーションをとることもできます。これは絵本だからこそできることだと思います。また,子どもたちは「ページをめくる作業」が大好きです。次々にめくっていく,そんな作業そのものを喜べるのも,絵本ならではの魅力です。 ヨシタケシンスケさんの作品には,「かんがえる」ことを楽しませてくれるしかけがたくさんあります。 『りんごかもしれない』は,目の前のりんごについて,本当にりんごなのだろうかという疑問から絵本 の魅力とは●コミュニケーションツール●本だからこそ「めくりたい」●いろいろな角度から「かんがえる」きっかけ『りんごかもしれない』ヨシタケシンスケ/作ブロンズ新社▲ジュンク堂書店大阪本店は,北区堂島にある「堂島アバンザ」の2 階から3 階にあります。文庫・雑誌・コミックなどの身近な本から,ビジネスや法律経済などの専門書まで幅広く揃っています。子ども向けの本も充実している大型書店です。●ジュンク堂書店 大阪本店スタートし,ものごとをいろいろな角度から見て,考える楽しさを教えてくれます。しかも,文章ではなくわかりやすい絵が中心の作品なので,大人も子どもも一緒に楽しみながら「かんがえる」ことができるようになっています。 今回改訂された学習指導要領では,保育園・幼稚園と小学校との連携を推進しています。就学前の子どもたちは,今どのような絵本を読んでいるのでしょうか。想像力をつけ,いろいろな発想をすることができる絵本について,ジュンク堂書店大阪本店,児童書担当の竹林さんにお話を伺いました。『100 かいだてのいえ』いわい としお/作偕成社12   算数・数学情報誌 ROOT No.23