ブックタイトルROOT No.23
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ROOT No.23
今回は,平成30 年度に実施された全国学力・学習状況調査問題(算数)の中で最も正答率が低かったB 問題の3 情報の関連付けと解釈・表現及び判断(アンケートの結果調べ)を取り上げ,主に児童の解答結果から正答率が低かった要因等を分析し,授業改善の手がかりを探りたいと思います。 3(1)は, メモ1 とメモ2 が,それぞれ,グラフについてどのようなことに着目して書かれているのかを答える記述式の問題です。「数量関係」領域からの出題で,評価の観点は「数学的な考え方」でした。メモの情報とグラフを関連付け,総数や変化に着目していることを解釈し,それを記述できるかどうかをみています。この問題の全国(国公私立)正答率は20.9% で最も低く,無解答率は最も高い17.9% でした。3(2)は,一つの事柄について表した棒グラフと帯グラフから読み取れることをまとめた文章に当てはまるものを答える選択式の問題です。(1)と同様「数量関係」領域からの問題で,評価の観点も「数学的な考え方」です。棒グラフ 3(1)の正答の条件は,次の①,②を全て書いていることです。①メモ1 が12 月の人数に着目して書かれているこ とを表す言葉や数②メモ2 が7 月の人数と12 月の人数の差に着目し て書かれていることを表す言葉や数 児童の解答類型をみると,①と②の全てを書いているもの(正答)20.9%,①を書いているもの11.2%,②を書いているもの5.9%です。また,これらを含めて何らかの形で①や②を書いているものが39%で,上記以外の解答(【解答類型99】と記す),すなわち,①や②が書かれていない解答が43.1% です。【解答類型99】の例として「メモ1 はめあてに取り組んだ人数で,メモ2 はめあてに取り組めなかった人数です。」が挙げられています。●上越教育大学教授 岩崎 浩2 どこに課題があるのか1 正答率が最も低かった問題▲平成30年度全国学力・学習状況調査 小学校算数 B 問題 3( 1)グラフの数値間の関係,さらには複数のグラフ間の関係を読み取る活動へと帯グラフから読み取れることを,適切に判断できるかどうかをみています。この問題の全国(国公私立)正答率は24.0% で,2 番目に低い結果でした。正答率20.9%6 算数・数学情報誌 ROOT No.23