ブックタイトルRooT No.24 2020年度版「小学算数」教科書特集号

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RooT No.24 2020年度版「小学算数」教科書特集号

3年下p.2?34年上シート「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて● 形だけの言語活動にならないように,本時で押さえるべき点を把握しておくことが大切。● 日文の算数の教科書では,①どんな問題かな,②考えよう,③学び合おう,④ふり返ろう,という問題解決過程が見える。● 教科書に出てくる子どもの吹き出しと同じような発言を引き出す発問を考える。座談会授業づくりで大切にしたいこと● 問いの「質」だけでなく,問いを持とうとする「姿勢」や「態度」も大切にする。● ノート指導や「学び方ガイド」の活用を通して,よりよく問題解決する力を育てる。● 教科書の題材を参考に,子どもたちに身近な題材を選ぶ。Z A D A N K A Iノートをしっかりとると,前の学習をふり返りやすくなるよ。?? 話し合い活動をすれば,「主体的・対話的で深い学び」になるのでしょうか?鈴木 ペア学習やグループ学習という学び合いの形はあっても,論点が焦点化されていなかったり,検討が十分なされなかったりすることがあります。深まりがない授業にならないよう,教師が本時で押さえるべきポイントをしっかり持つことが大切です。飯田 そういった大切なポイントは,カギマークやマーカーのついた子どもの吹き出し(本書p.8参照)でも示していますね。山田 教科書に登場する子どもの吹き出しには,授業での発問や解決につながるような発言が書かれています。教科書に発問までは書ききれないので,「そのような発言が出てくるようにするには,どのような発問をすればよいか?」というところを,先生方に考えていただきたいのが我々の願いです。?? 学び方ガイドのよさを教えてください。山田 「学び方ガイド」はもしかすると,型にはまってしまうという批判もあるかもしれません。ですが一方で,段階がゆるく示されていると,子どもたちは安心できるようです。主体的にといわれても,ゼロから何か出すのは難しいですよね。ですから,与えられた段階にきちんと対応することが必要だと思います。徐々に型をくずしていったり,別のやり方を考えたりというのを何回も繰り返せばいいので,最初は型にはまってもいいのではないかと思います。鈴木 何度もくり返すことで,よりよく問題解決しようとする態度も生まれますよ。?? 問題の題材選びには,何かコツがありますか?山田 教科書の素材を参考に,子どもたちにとって身近な題材を取り上げてみてください。例えば,5年生の「割合」を学習する時期にサッカー大会があったとしたら,新版教科書の輪投げのうまさを比べる題材(5下p.42)を参考に,シュートのうまさを比べる題材が考えられるでしょうか。鈴木 5年生なら,体育で習うバスケットボールのシュートも題材になりますね。子どもたちが身近な問題として興味をもつ題材を選べば,子どもたちは授業づくりで大切にしたいこと?? 授業の際に,先生が気をつけるべきことは何ですか?加藤 子どもたちが「問い」を持つことはもちろん大切ですが,最初は問いの質を求め過ぎなくてもよいと思います。それよりも低学年期や各学年の4月~5月あたりでは,問おうとする「姿勢」や問題に「主体的に取り組む姿」を先生が認めてあげることが大事ですよ。鈴木 「問い」をもつ授業のために,先生方にはノート指導にも気をつけていただきたいですね。ノートを通して問題解決過程を大切にする,例えば自分の自力解決をもとに,集団解決で出た友だちのいい考えをメモするなどということが,次への学びにつながると思います。「算数ノートをつくろう」では,それぞれの学年で「このくらいはノートをとれるようになってほしい」という意図を持ってノートの参考例を載せました。子どもたちはなかなかノートをとれるようになりませんが,1年~ 6年まで見ていただければ,成長の度合いがわかると思います。飯田 下巻の巻頭にある「つなげよう!学びとノート」(下参照)には,問題解決過程と合わせてノート例を出していますよ。問題解決過程は,上巻付録シートの「学び方ガイド」(次頁参照)にも掲載して,全単元で展開できるようになっています。主体的に学習に取り組めると思います。先生方には授業実践と,日常とを結びつけていただければと思います。加藤 現場の先生から,「教科書にあるような考えが子どもたちから出ない」という悩みをうかがうこともあります。教科書に載っている題材と,子どもたちの日常的で身近な題材とを上手に組み合わせることで,考えや意見も出やすくなりますよ。飯田 そこはやはり日頃から子どもたちを見ている先生方だからこそ,できることだと思います。日文算数の魅力とは?? 日文の算数の最大の特徴は何ですか?加藤 日文の教科書は,算数の苦手な子どもたちのために,しっかり基礎的・基本的な学習からできることが大きな特徴です。例えば,単元末の「わかっているかな?」「まちがいやすい問題」(次頁左参照)では,学校現場でよく見られる間違いや,全国学力・学習状況調査で多い間違いを取り上げました。「なぜ間違っているのか」ということを,子どもたちなりの素朴な考えを出しながら話し合うことで,深い理解ができるようになっています。飯田 単元末の「たしかめポイント」や巻末の「しっかりチェック」などの補充的な問題は以前からありますけれども,単元末で押さえるべき知識・技能を扱うページというのは新しいですよね。山田 そうですね。問題番号はついていませんが,4   算数・数学情報誌 ROOT No.24 算数・数学情報誌 ROOT No.24 5