ブックタイトルRooT No.24 2020年度版「小学算数」教科書特集号

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RooT No.24 2020年度版「小学算数」教科書特集号

2年上p.272年上p.1443年下p.60座談会日文算数の魅力とは● 日文の算数は,基礎的・基本的な力の定着を大切にしている。●「 わかっているかな?」「まちがいやすい問題」では,少し掘り下げて説明することで深い学びができるようになっている。●「 思考の道具」である絵や図,表,グラフ,言葉を系統的に学習できる。学びを日常生活へつなげるくふう●「 統合」とは,異なる複数の事柄に共通点を見出して,一つのものとして捉え直すこと。●「 活用」などの問題に取り組むことで,他教科や日常との結びつきを実感できる。日文の算数の教科書が授業改善や子どもたちの力につながることを期待しています。Z A D A N K A I学びを日常生活へつなげるくふう?? 新学習指導要領の算数の目標の中にある「統合」とは,どのような意味なのでしょうか?山田 「統合」という考え方はとても大切で,例えば,3年下p.60の「つなげる算数」(下参照)を見てください。小数と分数は別々に扱われがちですが,単位の考え方を使うと,実は全部整数の計算と同じように扱えるのです。計算技能をいっぱい覚えておくよりも,簡単に覚えることができるはずです。このような統合的な思考態度を育てる指導をしてほしいと思います。加藤 最初は少し時間もかかりますが,積み重ねが大切です。最初のしんどさは,ぜひ乗り越えていただきたいですね。?? 算数での学びを生活や学習に活用するために,参考になるページはありますか?山田 日文の教科書には学んだ知識・技能をさまざまな文脈でいかに使えるかを問う「活用」というページなどがあります。鈴木 授業の中で,例えば計算の仕方を式で説明した子どもの他に,「図でも説明できるよ」という子どももいることで,学びは深まっていきます。山田 一つの表現,例えば式だけにしか頼れないとしたら,式が立てられないとそこで問題解決は終わってしまいます。考えるためのすべを徐々に広げられる授業がよい授業だと思います。加藤 山田先生が挙げられた例とは反対に,「図に表したのに式がつくれない」というつまずきが見られることもあります。その克服のためにも,「どこに目をつけて図を見るのか・読むのか」ということもていねいに扱っています。山田 「いもの産地」の素材(5年下p. 130?131/本書p.9 参照)では,社会科の地域の特産品などの学習と割合の学習を関連付けて学べるようにしています。社会科の教科書にも円グラフが出てくるので,「活用」のページを社会科など他教科の学習でも使っていただけたらなと思います。鈴木 算数と他教科や日常との結びつきを実感できそうですね。加藤 「活用」などは,決して難しいだけの題材ではなくて,どの子も興味・関心をもって,少しずつ深い学習につながるようにくふうしています。鈴木 子どもたちにとって新鮮でおもしろい問題を,今まで培ってきた知識を使って挑戦することで,算数が好きになる子どももいると思います。飯田 教材を開発するプロセスも示していると思います。先生方の教材開発の参考にもしていただきたいですね。飯田 本日は,算数の授業づくりの参考になる話ができたのではないでしょうか。ぜひ日本文教出版の『小学算数』を,授業や研究会,算数の話し合いの共通の基盤として使い,授業改善に役立てていただきたいと思います。ありがとうございました。ぜひ扱ってほしいところです。加藤 教科書に誤答を載せることには,いろいろと議論があると思いますが,説明が苦手な子どもたちにとっては正しいことを説明するより,「どこが違うのかな」という問いかけに対して間違いの部分を説明する方が,ハードルは低いと思います。山田 深い学びを実現するためにも,少し掘り下げて説明するというプロセスが必要ですよね。?? 自分の考えを説明したり表現したりする場面での指導のポイントを教えてください。鈴木 説明するときには,「これが」「あれが」などの指示語ではなく,「辺アイが」「角ウが」といった算数用語や正確な言葉で話すことが重要です。日文の教科書は,そういった数学的な表現力が育つようになっていると思います。加藤 数学的な表現力も大切な基礎・基本です。「思考の道具」である絵や図,表,グラフ,言葉など,多様な表現を通じて考えることが大切です。巻末の「よみとろう あらわそう」(右上参照)のページでは,思考の道具を使った問題解決の方法を系統的に学べるようになっていますね。鈴木 学びを深める授業に向けて,ぜひ「よみとろう あらわそう」のページを使っていただきたいです。6   算数・数学情報誌 ROOT No.24 算数・数学情報誌 ROOT No.24 7