ブックタイトルROOT No.26 『中学数学』教科書特集号

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概要

ROOT No.26 『中学数学』教科書特集号

新版教科書のココも見て  ?の方法で求める場合,まず,各階級の相対度数を計算し,わり切れない場合は四捨五入して近似値で表します。その近似値を合計すると,丸め誤差が積み重なり,本来の累積相対度数との誤差が大きくなる場合があります。 ?の方法で求める場合,四捨五入による誤差は最小限となります。 今回の学習指導要領の改訂では「近似値と誤差」が3年へ移行していることを考慮し,?の求め方で指導するようにしました。  累積相対度数の求め方には次の2通りが考えられます。 ? 各階級の相対度数を求めてから,当該の階級までの相対度数を合計する。 ? 当該の階級までの累積度数を求めてから,総度数でわる。 1年p.240 で?の方法を採用しているのはなぜですか?QA1 年7 章では,過去のデータから起こりやすさの傾向を予測し,判断できるようにするために,相対度数を確率とみなす活動を設けました。確率の考えの活用1 年7 章「データの活用」p.252目的地までの2つのルートのどちらで行くかを決めるために,実際に何分かかるかデータを集め,集めたデータを基にして,より短時間で行けそうなルートを選ぶという問題を扱っています。「データの活用」領域の特色2年6章では,社会科(地理)などで学ぶヒートアイランド現象や地球温暖化と関連があり,ニュースでもよく取り上げられる身近な話題として,「年ごとの猛暑日の日数」のデータを取り上げました。データに含まれる値の個数や分布の特徴について,学習材として扱いやすいように配慮しています。教科書QR コンテンツの例身近で扱いやすいデータ165データの分布と確率6章 次の図の  の部分は,表2のデータの最小値,最大値と四分位数を数直線に対応させて,データの分布を長方形と線分を使って表したものです。この図の長方形を箱,線分をひげといいます。箱ひげ図の箱の区間には,中央値の前後の約25%ずつ,合わせて約50%の値がふくまれます。箱ひげ図では,データの分布をおおまかに表します。次の図は,163 ページの表1と同じ期間に,福ふく岡おかで猛もう暑しょ日び が年間何日あったかを表した箱ひげ図です。この図から,最小値,最大値,四分位数を読み取りなさい。問1の福岡の箱ひげ図は,左のひげより右のひげの方が長くなっています。このことから,「猛暑日が3 日以下の年より,10 日以上の年の方が多い」といってよいでしょうか。問1問2考えようこのような,長方形とその両りょう端たんからのびる線分でデータの分布を表した図を箱はこひげ図ず といいます。0 3 7.5 14 21.5 31 (日)↑最小値↑中央値(第2四分位数)四分位数↑第3四分位数↑第1四分位数↑最大値4つの区間にふくまれる値の個数が等しい3 5 6 7 8 10 11 12 13 15 16 17 20 21 22 23 26 317 26約50%約25% 約25% 約25% 約25%ひげ 箱 ひげ福岡0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 (日)5510101520 1517205101520253035(日)(年)年ごとの猛暑日の日数(大阪)195819771998201719381957197819971 2 3 4 彩さんの班では,大阪の猛暑日が増える傾けい向こうにあるのかどうかを調べることにしました。 そこで,大阪の猛暑日について,1938 年から2017 年までの80 年間分のデータを20 年ごとに区切り,4 つのデータにしました。これを古い方から順にデータ1 , 2 , 3 , 4 とします。 右の図は,データ1 ~ 4 をもとにかいた箱ひげ図です。! 注意・ 右の図のように,箱ひげ図は縦向きにかくこともあります。・ 箱ひげ図に平均値を示したい場合は「+」印をかき入れます。右の図から,データの分布の変化について,どんなことがわかりますか。問1話し合おうどうかを調べるには,どうすればいいかな。昔のデータを手に入れて,その分布の変化を調べてみよう。彩あやさん和かず也や さん510151 年 キャップを投げたときの表向きの相対度数1000 回投げる実験を3セットまで,10000 回投げる実験を3セットまで,それぞれシミュレーションして折れ線グラフに表すことができるコンテンツです。2 年6 章 「データの分布と確率」 p.165四分位数の意味と箱ひげ図のしくみを理解しやすいよう,1つのデータに含まれる値の個数は20 個とし,ドットプロットと箱ひげ図を対応させた図を示しています。2 年6 章「データの分布と確率」 p.172多数のデータの分布を比べやすいという箱ひげ図のよさを実感することができるデータを選んで教材としています。2 年 多数のデータの分布の比較ヒストグラムと箱ひげ図を対比させて見ることができるコンテンツです。それぞれのグラフのよさについて考察できます。252デザイン-1 年7 章 190314Bルート旅館駅前踏切ふみきり踏切Aルート2 確率の考えの活用 ある旅館では,駅前から旅館までの送そう迎げいバスを運行しています。駅前から旅館まで行くルートは2通りあります。数学の問題にしよう この会話のあと,送迎バスの運転手は,実際にかかった時間をAルートで30 回,Bルートで40 回調べて記録しました。 次の表1は,そのデータを整理した度数分布表です。表1をもとに,より短時間で行けそうなルートを選ぶとき,あなたなら,AルートとBルートのどちらを選びますか。過去に起こったことがらのデータをもとに,起こりやすさの傾けい向こうを予測しよう。身近なことがらめあて表1  駅前から旅館まで行くのにかかった時間階級(分)度数(回)AルートBルート以上未満20 ?25 12 3225 ?30 18 430 ?35 0 235 ?40 0 2合計30 40実際に何分かかるか,データを集めて比べてみてはどう?より短時間で行けそうなルートを選びたいのですが,どうすればいいでしょう。551010151520240デザイン-1 年7 章 190314 表1 通学時間   (C 中学校)階級(分) 度数(人)以上未満0 ?5 205 ?10 1810 ?15 2515 ?20 3520 ?25 2225 ?30 20合計140右の表1は,C中学校の1 年生の通学時間を整理した度数分布表です。C中学校の1 年生である美み 和わ さんの通学時間は14 分です。美和さんの通学時間は,中央値より短いですか,それとも長いですか。最小の階級からある階級までの,度数の合計や相対度数の合計に着目して,データの分布について調べよう。下の表2は,上の表1をもとに,相対度数,累積度数,累積相対度数をそれぞれ求めたものです。めあて例1 累積度数と累積相対度数10 分以上15 分未満の階級までの累積度数と累積相対度数は,それぞれ次のようにして求めます。(累積度数)最小の階級から10 分以上15 分未満の階級までの度数の合計を求めます。  20+18+25=63よって,累積度数は63 人です。(累積相対度数)累積相対度数は,累積度数を総度数でわると求められます。    =0.45よって,累積相対度数は0.45です。631406 累積度数と累積相対度数最小の階級からある階級までの,度数の合計のことを累るい積せき度ど 数すうといい,相対度数の合計のことを累るい積せき相そう対たい度ど 数すうといいます。表2 通学時間(C 中学校)階級(分) 度数(人) 相対度数累積度数(人)累積相対度数以上未満0 ?5 20 0.14 20 0.145 ?10 18 0.13 38 0.2710 ?15 25 0.18 63 0.4515 ?20 35 0.25 98 0.7020 ?25 22 0.16 120 0.8625 ?30 20 0.14 140 1.00合計140 1.0055101015152020252524   算数・数学情報誌 ROOT No.26 算数・数学情報誌 ROOT No.26 25