ブックタイトル生活&総合navi vol.69
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生活&総合navi vol.69
い?め?るK A K I S A W A A Y A柿沢安耶東京都生まれ。おいしいだけでなく,食べた人が健康になれる料理やスイーツを提供する店を開きたいと志し,フランス料理や自然食などを学ぶ。オーガニック野菜生産者とのつながりからもっと野菜の魅力を伝えたいと考え,2006年に世界初の野菜スイーツ専門店「パティスリーポタジエ」を東京・中目黒に開店。また,日本の「食育」や「農業」への関心も高く,小学校での食育セミナー,生産地での野菜づくり体験ツアー,料理教室講師なども積極的に行っている。2013年には,中目黒にデリカテッセン中心の「ポタジエマルシェ」を開店。さらに,台北市内にレストラン「ポタジエガーデン」も開店させ,連日賑わいを見せている。野菜が育った畑が想像できるケーキ小学生の頃は,ぜん息やアトピー性皮膚炎があり,身体が大変弱く,体育の授業はよく休んでいました。ぜん息の発作が出てしまうと,一~二週間ほど学校を休まなくてはならず,授業についていくのがやっとでした。そんな状態ではありましたが,とりわけ家庭科の授業が好きでした。また,動物が好きで飼育委員をしていました。子どもの頃の夢は,実はブタを飼って暮らす仕事に就くことでした。しかし,畜産の仕事だとブタを殺さなくてはなりません。そんなとき,フランスの高級食材であるトリュフを掘り当てるブタの存在を知ったのです。子どもながらに,ブタと過ごすにはまずはフランスと思い,大学ではフランス文学科を専攻しました。そしてフランスに留学します。フランスでは,勉強のために,ありとあらゆるフランス料理を食べ尽くし,しまいには身体を壊してしまいました。そこから料理に興味をもつようになり,身体に優しいもの,食べた人が元気になる食べものをつくりたいと思うようになりました。わたしの身体は,古来から日本人が食べてきた,お米を中心に野菜と豆類を食生活にとり入れていくうちに,エネルギーが沸いてきて,体力もつき,風邪もひかなくなったのです。そこで,より野菜に注目するようになりました。わたしの野菜パティシエの道が始まった瞬間でした。しんどふじわたしの好きな言葉に,「身土不二」という言葉があります。地産地消に近い言葉ですが,人間は自然の一部で離れられないものであり,その土地にできたものを食べましょう,旬のもの,その土地ならではのものを食べることが身体に合っている,という考え方です。わたしの願いは,多くの人に野菜をもっと食べてほしいということです。そして,わたしの野菜ケーキには,「食で元気に!」という思いが詰まっています。野菜ケーキが野菜を好きになるきっかけになってほしいと思っています。そのケーキを食べることにより,その野菜が育った畑まで想像できるような,そんなケーキをつくっていきたいです。先生方には,「健康でいるための食事というものを,知識としてしっかり知っておくこと」が生きる知恵となるということを,子どもたちに伝えていただければと思っています。