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概要

生活&総合navi vol.70

研究と実践1生活気付きをもとに考え,表現できる子どもの育成~気付きをもとに思考する手立ての工夫と,気付きをもとに話す適切な場の設定~田代宗輔(鹿児島県鹿児島市立田上小学校教諭)1.はじめに生活科では,直接体験を重視した学習活動を行うことが大切にされている。それは,低学年の子どもの発達特性として,具体的な活動や体験を通して思考するという特徴があるからである。そこで,具体的な体験を一層充実することで生まれた様々な気付きから,考え表現できる子どもの育成をめざし,気付きをもとに思考する手立ての工夫と,気付きをもとに話す適切な場の設定について研究を進めていくことにした。2.研究の概要(1)気付きをもとに思考する手立ての工夫対象との出合いやかかわりを通して生まれた,様々な気付きをもとにして,自分なりに考えることができるようにするために,子どもの気付きを可視化し,「見える図(※1)」に分類・整理することにした。この図を使ったのは,気付きを可視化することで,気付きどうしを比べたり,分けたり,関連付けたりすることができ,そこから新たな気付きが生まれることで,気付きの質を高めていくことができると考えたからである。※1:右図のように,可視化した気付きを整理・分析しながら表現につなげるための図表のこと。(2)気付きをもとに交流する場の設定気付きをもとに交流し,子どもの思考力・表現力を高めていくために,話したり交流したりする場を適切に設定することにした。それは,話す場を適切に設定することで,子どもが必要感をもって主体的に話すようになり,気付きが広がったり,新たな気付きが生まれたりして,こちらも気付きの質を高めていくことにつながると考えたからである。3.研究の実際(1)気付きの可視化と「見える図」の活用アふせん紙とXチャート図子どもが,家で取り組んでいる手伝いをふせん紙に書き,それを食事・洗濯・掃除・その他に分類し,「見える図(Xチャート図)」に貼って整理した。この活動から,手伝いを頑張っている自分のよさ,友だちが取り組んでいる手伝い,自分にもできそうな新たな手伝いについて考えることができた。ふせん紙を貼った「見える図(Xチャート図)」13