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概要

生活&総合navi vol.70

物か,どこで栽培されているものかなどを学習することにした。すると,「さとうきび」は沖縄で多くとれるものだとわかり,おそらく沖縄に関係する曲であろうと子どもたちは理解した。音楽では曲を聴かせる前に歌詞カードを配り,歌詞の意味を考えさせた。子どもたちは,歌詞に込められた思いを感じながら曲を聴いて,合唱の練習に取り組むことになった。・「島人ぬ宝」この歌も,まず曲名からどんな歌なのかを考えさせた。中にはすでに知っている子もいたが,「島人」を「しまんちゅ」と読むことを知ると驚く様子が見られた。曲名からもわかるように,沖縄の方言が歌詞中にも少しではあるが使用されている。そのことを確認してから,この歌も沖縄に関係する歌であることをイメージさせた。そして,歌詞の意味について共有し,曲を聴くことにした。(3)参観での発表7月の授業参観は,「沖縄調べ」の発表を班ごとに行った。11月は,連合音楽会の練習の成果を発表することにした。いずれも学年で取り組んでいることを発表するよい機会となった。7月の「沖縄調べ」については,班ごとの発表のため,「始めと終わりのあいさつ」,「説明担当」など,役割を決めて行った。役割については,練習の中で付け加えたいことがあれば工夫してもよいとした。練習の様子を見ていると,模造紙を手に持って説明するだけではわからないことに気付き,「先生,説明をしているところを指でさしながら説明していい?」など相手意識をもった発言が見られた。また,他の班もよいところは取り入れようとしたため,本番では各班とも練習の成果が出て,上手に発表することができた。11月は,今までの学習の集大成であり,また連合音楽会に向けての最終調整として「さとうきび畑」と「島人ぬ宝」の発表を行った。どの子も歌詞をイメージしたり,これまでの学習を十分に思い浮かべながらの発表であった。3.成果と課題自分たちが学習してきたことを,参観や音楽会などにつなげて発表するという目標を明示することで,子どもたちの主体的な学習につながった。そして,総合的な学習の時間と音楽,社会科を連携させることで,ただ調べるのではなく,「学びの必然性」が生まれ,意欲的な活動につながっていったのである。また,合唱に関しても決められた歌を歌うのではなく,自分たちが学習していることを振り返りながら,その思いを歌に込めて歌うことで,音楽的表現としても内面から高揚していく変化が見られた。これらのことから,本実践のポイントは,「学びの必然性」と「学びの活用」の二つにあると考える。その反面,最初の学習から最終的なところまでの期間が長く,中には見通し,理念がもてず,集中しきれない子もいたという課題があった。間延びしたと思う部分には,メリハリをつけるとともに,学習のめあてについて確認,再考する必要がある。4.おわりに今回は沖縄に特化して平和について学習してきたが,子どもたちには,「平和=戦争のないこと」のみならず,様々な形での平和があることを知ってもらいたい。そして,今後自分たちが生きていく未来について考えるきっかけにしてほしい。また,取り組んだ学習が単発で終わるのではなく,今回のように他の教科と連携を図りながら,今後も効果的な実践が追究できるように考えていきたい。18