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概要

生活&総合navi vol.70

わいの旅その17村川雅弘M A S A H I R O M U R A K A W A鳴門教育大学大学院教授。専門は教育工学,カリキュラム開発,生活科・総合的な学習。日本教育工学会理事,中教審専門部会委員などを歴任。子どもたちによる校外学習お勧めプラン徳島県美馬市立重清西小学校(福山義夫校長)も地域の特色を生かした総合的な学習の時間を展開している。3年生は地域の人たちと協力してつくった「ひまわり迷路」,4年生は地域防災,5年生は特産物である蚕と竹,6年生は地域にある「水辺の学舎」を有効活用する計画づくりにそれぞれ取り組んでいる。様々な思考ツールを活用して,話し合い活動を活性化させようとしているのも特色の一つである。徳島県教育研究大会当日,5年生は3年後に統合する郡里後送こおざと小学校の児童と,モバイル機器を活用して互いの町の竹自慢を行っていた。小規模校で限られた数の児童がそのまま進級する学校では,大いに奨励したい取り組みである。また,6年生は他校の児童や教師を対象に行ったアンケート結果を踏まえて,自分たちが立てた「水辺の学舎」利用プランを熱く語り,参観者から「わくわく度」,「ふれあい度」,「安全・安心」などの観点を設けてコメントを得ていた(写真)。手づくりのオールカラーのパンフレットも魅力満載である。県内他校の次年度以降の校外学習に,6年生の子どもたちが考えたプランが採用されることを期待している。4年生の教室で面白いものを見つけた。「MY防災マニュアル」である。各自が自宅の場所や家族構成等を踏まえて,避難方法や避難場所,連絡方法などをまとめている。手にした作品には,「(避難場所ですること)心を落ち着かせる。家族みんながいるか,確認する」,「(気をつけること)近所の人のところに行く。妹と弟を連れてくる。」などが書かれていた。行政には真似をすることのできない貴重なマニュアルである。学校をあげての防災教育横浜市立北綱島小学校は防災教育を核にした総合的な学習の時間,「横浜の時間」(総合)に取り組んでいる。昆しのぶ校長先生(昨年度まで市内大岡小学校校長)の依頼で,防災教育のカリキュラムマネジメントにかかわっている。訪問した日,1年生の生活科では,登下校を見守ってくれている学援隊の方へのインタビューの報告を通して,その人たちの思いを理解する学習,3年生の総合的な学習の時間では,校区地図を活用した町の安心・安全の取り組みに関する発表を通して,地域を守る人の存在を理解する学習に取り組んでいた。6年生の総合的な学習の時間では,「めざせ!北綱防災レンジャー」という共通テーマのもと,チームで様々な課題に取り組んでいる。この日は,バケツリレーチームの提案を踏まえて,一列,ジグザグ,二列の三つのリレーの方法について,メリットとデメリットを整理し話し合った。※三田大樹「エビデンスベースの授業の見方ポイントWS」,村川雅弘編著『「ワークショップ型校内研修」充実化・活性化のための戦略&プラン43』,2012神社古道23