ブックタイトル生活&総合navi vol.70
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生活&総合navi vol.70
平成元年の小学校学習指導要領に生活科が新設されて早二十数年が過ぎた。その間,学習指導要領の改訂が2回あり,生活科も現場からあがってきた問題点を修正しながら,少しずつ進化を遂げている。しかし一方で,誕生時の「熱気」が感じられない,授業内容もいくらかマンネリ化しているのではないかという声も聞かれる。そこで,もう一度原点に戻り,生活科を見つめ直してみたい。1生活科に込められた願い生活・総合への提言~今一度,生活科を見つめ直そう~近藤まり三重県四日市市立泊山小学校教頭平成元年発行の小学校学習指導要領解説「生活編」の第1章生活科の新設は,次のような言葉で始まっている。「平成元年の学習指導要領の改訂において,小学校低学年の教科構成が改められた。生活科という新しい教科が設置され,それに伴って従前の低学年における社会科と理科は廃止されたのである。戦後40年にして,小学校では初めて教科の改廃がなされた。それだけに,この改訂は,かつてなかった小学校教育の大きな変革であるということができる。」このように,生活科誕生の背景には,ただ単に,低学年の社会科と理科を合体させた新教科として誕生したものではなく,知識偏重に傾き過ぎた教育の中で育てられなかった部分への対応があった。また,この時期の子どもは,発達段階的に思考や感情の未分化な段階にあり,幼児教育から小学校教育へとスムーズな移行をしなくてはならない,いわゆる「小1プロブレム」への対応でもあった。思い起こしてみると,生活科が問題提起していたことは何だったのか。それは,次の三つだったように覚えている。まずは,学校教育における体験の重視ということである。バーチャルな世界に生きる子どもたちにとって,体得の場と機会が著しく減少している。このような状況にあって,学校は依然として伝統的な知育中心の教育でよいのかが問われていたのだった。そして,あれから二十数年,事態は更に悪化している。次に,個を育てること,個性重視の教育を求めているということである。生活科は,身近な環境への気付24