ブックタイトル生活&総合navi vol.70
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生活&総合navi vol.70
きとともに,自分自身への気付きを重視する。この気付きの核心は,自分自身の長所を見出し,それを友だちや先生に認めてもらい,一人ひとりの子どもにやる気と自信をもたせることである。そして三つ目は,これまでの授業のあり方を変えたいという願いである。教師主導の授業から,子どもの思いや願いに寄り添い,子どもが主役の授業へと変えたいという願いが込められていた。2生活科授業診断の四つの視点さてここで,日々実践している生活科の授業を,生活科の原点に戻って,次の四つの視点で診断されることをおすすめしたい。一つ目の視点は,教師はどこにいるかということである。伝統的な授業スタイルでは,教師は,1時間中,黒板を背にして学級全体に話しかける。こうした教師主導の一斉指導では,集団にウェイトがかかり,個が軽視されがちになる。自校の生活科がこの反省に立っているかを考えてほしい。二つ目の視点は,子どもが動いているかということである。授業の中に,聞く,書く,発表するだけではなく,調べる,育てる,つくる,遊ぶ,相談する,表現するなどの活動をふんだんに取り入れ,連続・発展していくよう支援することが大切である。三つ目の視点は,どこで活動しているかということである。通常の授業は,教室の中で行われる。生活科ももちろん教室での授業もあるが,校内はいうまでもなく,校外まで学習の場は広がることになる。諸感覚を使った活動や体験を通して,自然や人に出会わせていきたい。四つ目の視点は,教科書のカリキュラムや昨年度の指導計画をそのまま使用していないかということである。生活科では,全国一律の内容を求めず,それぞれの学校が子どもや地域の実態に合わせてふさわしいものを作成することが大切である。学校ごとに,また年度ごとに計画や展開が異なるのが当然である。マンネリ化しないためには,常に上記のような授業診断をして,改善し続ける努力が欠かせないと考える。3幼児教育から学ぶこと昨年の秋,ある幼稚園で研究発表会があった。子どもの実態として,同じ空間にいても既製の玩具で一人で遊ぶことに慣れた状況があり,直接的な体験の不足が指摘されていた。また,自己主張はするものの,相手の立場に立てない子どもの姿があった。そこで,この幼稚園では子どもが自ら環境にかかわって主体的・創造的に遊びを展開していく次のような「豊かな遊び」が重要であると考えていた。・主体的に周囲の環境にかかわり,心や身体をはたらかせることができる遊び。・失敗を恐れず,何度でも繰り返したり,自分の思いを自由に試したりできる遊び。・見守り,共感してくれる大人や友だちがいて,安心して繰り広げられる遊び。こうした「豊かな遊び」を通して,1試したり,探究したりする力,2ものや物事に対してしなやかに対応していく力,3考えたことを表現する力,などを育もうとしていた。まさに,生活科でめざしている「自立への基礎」,「思考力・判断力・表現力の育成」につながるものである。おおいに参考にしたいところである。学力向上が叫ばれる中,全国学力・学習状況調査で強調される「活用力」が,真の学力,すなわち「生きる力」の育成をねらうものであれば,今こそ生活科を起爆剤にしながら授業改善を推進し,教師も子どもとともにわくわくしながら取り組める授業を展開していきたい。生活科の原点に立ち返り,今一度,生活科の授業を見つめ直すことが,楽しい学校づくりにつながるものと信じている。25