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概要

生活&総合navi vol.70

わが町オススメ行事どんど焼きしもさ調布市下佐ず須青年会会長林田堯瞬調布市どんど焼きって何?調布市は,東京都心から西へ15kmほどのところに位置し,23区に接している。都心に近いわりに緑が多く,古くからあるところと,新しい街並みが混在する活気のある町である。さて,まずはどんど焼きの解説から…。どんど焼きは,小正月(1月15日)に河原や村境の田畑などで,家々から持ち寄った正月飾りや書初めなどを1か所に集めて燃やす火祭りで,全国的に催されている。地さぎちょう域によって「左義長」,「とんど焼き」など,呼び方は様々である。としがみとしとくじん正月は,各家庭に歳神(歳徳神)を迎え入れるため,門しめなわ松・注連縄・鏡餅等を飾りながら過ごし,歳神を炎とともに見送る行事である。また,燃やした残り火で団子を焼き,これを食べると一年間無病息災に過ごせる力を授かると伝えられており,ことしだまれを「お歳魂」と言い,新年に子どもたちに与える「お年玉」の原型とされている。また近年は,消防法やダイオキシンの問題,近所からの苦情等が拍車をかけ,ここ調布市内では現在2か所のみの開催となっている。復活!地域の伝統を受け継ぐ調布市佐須地域では,失われたどんど焼き行事を,青年会が中心となり,地元小学校・PTA・児童館・自治会・消防団等,地域の様々な団体が協力し合い,23年前に復活した。まず,行事の2日前に竹を組み,だるまや松飾りなどでやぐら飾り立てた櫓を造り,当日家々より持ち寄った正月飾りを櫓の周りに配置する。この時,燃やせるものと燃やすことのできないものを分別することも,地主や近隣に対する大事な配慮である。また,12歳を迎える年男・年女の子どもたちが松明を持ち,一番の見せ場である点火式の役を担う。どんど焼きへ積極的に参加することにより,行事を次世代へ引き継ぐ機会としている。幸い当地域は,取り組みの効果とともに,行事を行える十分な場所を確保しつつ新興の宅地も増え,年々賑わいを増している。三年前には,調布市からも表彰され,より一層,伝統を受け継いでいく地域の人たちの励みにもなっている。▲燃やした残り火で団子を焼く様子失われていく行事昔は,どこの村々でも行われていたどんど焼きも,ほとんど見ることがなくなった。都市部では住宅が密集し,火をたいて燃やす場所がなくなり,地方では高齢化や過疎化が進み引き継ぐ者がいなくなり,減少しつつある。▲年男・年女の子どもたちによる点火式27