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概要

生活&総合navi vol.70

生徒数は減っています。すると当然,高校の存続ということも大きな問題になってきます。存続していかないと,この只見の地域で高校教育を受けられる環境が失われてしまいます。それはどうしても酒井文高避けなければならないと考えてい極上の自然留学担当主査ます。そのため,町外から絶対数を確保することが大きな命題になりました。来てくれた町外からの生徒たちには,第二の故郷として只見町の応援団になってもらいたいという思いもあります。高校生として只見に留学して只見を知り,そして只見を好きになってもらうことが大切です。やがて地元に戻った時,只見のことを思い出して,米をはじめ,様々なものを買ってもらえるような,そういった消費者になってもらえたらと思っています。あるいは,只見への観光リピーターになってもらったり,やがて親となりその子どもも,極上の自然留学を体験してもらったり,願わくは,都会で会社を興したとき,支社を只見につくってくれたり,あるいは町に永住してくれたりとなれば,最高の,そして非常に大きな応援団ということになるのだと思っています。(人)201515151210 9 97 76555 4310平成14 15 16 17 18 19 20 2122232425 26年度▲只見高校への留学生の推移極上の自然留学って何?只見高校に通う生徒のための支援制度として,町で寮(奥会津学習センター)を運営しており,そこに入寮して高校生活を送ることが基本的内容です。ではなぜ極上かというと,一般の学校ではなかなか行っていないような,様々な町からの支援の仕組みが整えられているからです。第一に,個別指導が非常に充実しています。その一つとして,大手進学塾と連携して通信教育を行っていることがあげられます。また,キャリア教育として,著名な講師陣を招き講演会を行ったり,企業についての研修をしたり,近所の経営者による企業ガイダンスを行ったりしています。中でも特筆すべきは,イギリスへの短期留学(約二週間)を実施していることです。毎年2名の定員ですが,保護者負担は10万円で,そのほかはすべて町で負担します。第二に,都会では味わえないような自然体験ができます。ブナ林の散策だったり,雪上スポーツであったり,川下り(ラフティング)やカヌーだったりと,それらが無料で体験できるようになっています。さらには,部活動の遠征費について,交通費や宿泊費を,地区大会では半額,県大会では七~八割,東北大会以上だと全額補助しています。前述しました寮には,一昨年から総務省が行っている地域おこし協力隊という制度(大都市圏の人口増加地域から,若者を地方に移住させる取り組み)を利用し,町の職員として寮で生徒たちと寝食をともにし,指導・相談する者を置いています。留学の実情~只見教育振興協力隊からのメッセージわたしは,以前は東京の企業に勤めていました。そのこともあって,社会人になった時に必要となる能力とは何かを生徒たちに伝えたり,中学・高校の教員免許状をもっていることから,学習や生活指導をしたり,さらには,親元から離れ,寮の中で集団生活をすることで抱える生徒たちの悩みや不安の相談にのったりしています。また,離れて暮らしている保護者に向けて,広報紙を月に1回発行,送付しています。末谷広大只見教育振興協力隊さいごに地域づくりは,最終的には人づくりです。今後は社会教育,及び生涯学習といった面も含めて,町民の豊かな心を育てていきたいと思っています。皆さん,是非一度,只見町へ来てみてください。3