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概要

生活&総合navi vol.72

2年生たちは、一年をかけて『たからの森校ていマップ』なるものをつくっていた。この小学校では1・2年の低学年は不思議を育て、さまざまなものを感じる力をつけるために「『ふるさと探検隊』の隊員として育てる」が目標となっている。中学年は『ふるさと新聞社』の記者、高学年は『ふるさと研究所』の研究員、と続く。それを聞いたとき、秀逸な設定だと感心した。それぞれの年齢の子ども心をくすぐるし、先生もイメージが浮かびやすいだろう。さて、2年生の「探検隊員」たち。任務はマップづくりだが、その「調べ方」は、今回の目隠しのように「すりすり探検隊」(触覚)とか「くんくん探検隊」(嗅覚)というように一点の感覚に焦点を絞るアプローチが多い。それゆえ、漫然と見過ごしがちなことをたくさんキャッチしていく。彼らの猛ダッシュは、それを早く書き出したいがために見えた。任務にはまりこんだゆえの集中力かと推測した。授業の後半は、一番伝えたい発見をそれぞれ黒板に貼り出し、それについてみんなで「話し合い」だという。2年生が話し合う?それぞれの発見について?感想を言い合うのは大人にとっても高度な技である。「面白い話し合いはどうするといいんやったっけ?」と先生が尋ねると「緑は、いいところとかおもしろいところ」と一人の子が口にする。「そうだったね。誰かの発表がこんなとこ面白いなーとか、いいなー、とか思ったら緑で書いて、どうしてそう思ったのか理由を言うと盛り上がる話し合いになるんやったね」と先生は緑、赤、ピンクのペンで書かれたカードを黒板に並べていった。自分の発見と似ているところや違うところを言うときにはピンク、疑問、質問があるときは赤、と大きく自分の感想を3色に分類して捉える練習がされている。なるほど!と膝を打ってしまった。誰かの発表を見聞きしたとき、私たちの中にはさまざまな思いが湧く。その混沌をまずはざっくりとパターン分けする、という手法なのだ。パターン分けが固定してしまうと弊害も出てくるが、自分の感じたこと、湧いてくる思い、それらがどういう種類のものなのかにまず「気づく」ことが肝心で、この「色別分類」は混沌に道をつけるきっかけなのだ。すでにこのやり方を続けてきた彼らは、私の懸念をよそにちゃんと感想を「話し合って」いる。「ボクはピンクで、はるとさんがさわってみてぬるぬるしている、と言ったけど、ボクはざらざらしてるなと思ったから、違うなと思いました」などと人の感想と自分の感想について次々に発表していく。そのやりとりを見ていて思った。彼らは単に発見を早く書きたかっただけでなく、発見のやりとりが楽しみなのではないか、と。自分の発見が誰かに受け取られ、それが返ってくる。それがうれしそうなのだ。だから、強制されることなくせっせと自分たちで作業を進めていくのではなかろうか。混沌に道?自分の思いに気づくことが初めの一歩?感じるまま、思うままを育める時代目隠しをすると、ほかの感覚が研ぎ澄まされることも発見。一心不乱に探検したことを書き込む。自分の思いの種類に気づく練習。[特集]「感じる」と「考える」のあいだがら2