ブックタイトル生活&総合navi vol.73
- ページ
- 11/20
このページは 生活&総合navi vol.73 の電子ブックに掲載されている11ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは 生活&総合navi vol.73 の電子ブックに掲載されている11ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
生活&総合navi vol.73
宮城学院女子大学構内は自然に恵まれ,小川や,雑木林の遊歩道があり,白鳥が飛来する丸田沢にも隣接。子どもたちはのびのびと自然に触れて遊びを展開している。「トンボの骨」はむささびの骨かもしれないと仲間に報告する。が見つかった。 また、場所を猛禽類の巣のある木の下に移すと、5㎝程度の小さな骨を二つ見つけた。B男がその骨を見て?トンボの骨みたいだ?と言ったことに対して周囲の子どもたちが反応し、?トンボに骨はないよ??いやあると思う?という論争がおこった。教師はどちらの主張も受けとめて、子どもたちが推測したことを書き出しながら、クラスの仲間に伝えた。これ以降、?けんきゅうしつ?の遊びでは、?骨がある生き物?と?骨がない生き物?を仕分けしていくようになった。教師は動物の骨格がわかる図鑑類を用意しておいた。実物と図鑑をよく見て大発見 C子とD子が骨をながめながら骨格図鑑を見ていた。教師は、トンボの骨と言われた小さな骨をケースから取り出して観察することを提案した。二人は、骨を図鑑に乗せて、同じ形の骨はないかと探していた。すると、ムササビの骨の関節の部分と一致して見えた。?わかった!!?とC子は大喜びした。クラスで報告すると?すごい??博士みたい?と仲間から絶賛され得意気だった。この報告をきっかけに、?けんきゅう?に参加する仲間が増え、後に同じ方法で、?家で食べたチキンの骨は鶏の大腿骨?ということもわかった。根拠を示す ?骨がある??骨がない?を分類物として大事にされたが、興味は薄れてしまったように感じた。教師は再び骨への興味が高まることを期待して、動物図鑑や世界地図等を用意しておくことにした。わかるってすごい 遠足から2週間後、A男がタヌキの骨を見ながら思い出したように、?タヌキの仲間って何だろう??と図鑑を開いた。タヌキの仲間は?ホンドタヌキ?と?エゾタヌキ?の2種類で、?エゾタヌキ?は北海道に生息するとあったので、?ホンドタヌキ?だろうという結論になった。A男は?すごい、わかっちゃった?と得意気だった。そこから、図鑑を見るだけではなく、解説を読むことに関心が高まった。わかったことを伝え合うことができるように、教師が手伝いながら、わかったことを書いて掲示していった。また、降園時の1日の振り返りの時間に、クラスの仲間に報告する機会を設けた。?タヌキ?について調べ、わかったことを書いたり伝え合ったりすることが、子どもたちの遊びの一つになり、?たぬきけんきゅうしつ?と呼ばれるようになった。とことん追求?新たな発見が新たな興味へ ?けんきゅうしつ?の遊びが深まるにつれ、?もっと骨を探したい?という気持ちが強くなった。そこで、教師は骨を探す目的で散歩を計画した。すると、今度は頭蓋骨する?けんきゅう?では、予想はするものの、答えが出ないのが悩みとなった。そこで、子どもたちは、自分が食べた魚やチキンの骨を家から持参して、根拠を示すことを思いついた。教師は、子どもたちの遊びの経過をクラスだよりで保護者に知らせ、できる範囲での協力を得るようにした。 日に日にいろいろな骨が集まり、?白いものばかりではなく、透明なものもある?ということや?骨のように見えても違うことがある?腱??ということなどがわかった。 ?けんきゅう?の中で、タコは?骨がない?に分類されていたが、E男は、寿司職人の祖父の話から、?タコには頭に骨がある?ということを主張した。仲間を納得させようと、?冬休みにお祖父ちゃんからもらってくるから?と約束した。しかし、頭の部分は仕入れがなかったとのことで、実物を持ってくることができなかった。そのかわり、母親と一緒にネット検索で調べたことを披露した。3 まとめ この実践を通して、学びの芽生えを培うためには子どもたちが常に????問い?をもちつづけられるよう教師が見通しをもって教材の準備をしておくことが必要であると考えた。また、子どもたちの小さな気付きを丁寧に拾い上げ、答えや新たな問いにつながっていくようにすることや、それらを仲間と共有できるようにすることで、同じ課題のもとで協同する楽しさや充実感が味わえるのではないかと思う。 今後も、友だちや家族とともに、挫折や成功体験を繰り返しながら、未知の世界を知る喜びや自信を味わわせていくことを大切にしながら援助していきたい。研究と実践図鑑,五十音表などを用意し,自分たちが調べたことを書くことを楽しむ子どもたち。研究と実践9