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概要

生活&総合navi vol.73

魚の日は、愛南町産のひじきを使ったひじきごはんに、愛南町の水産加工会社の方から無償でいただいたタイのあらを使った赤だしでした。そのほかにも、毎月19日の食育の日は?愛南カレーの日?として、毎月第4金曜日は?地産地消の日?として水産物だけにかかかわらず、愛南町で獲れたものが給食の献立として登場します。また、ぎょしょくの授業の日程が予めわかっているときは、給食に愛南町産の水産物をつかった献立を提供するよう区で生産される魚を用いた?調理実習?、小学校5年生の社会科?漁業?単元の?社会座学?、水産業の?現場見学?、低学年を対象にした?ぎょしょくパッケージ?。この?ぎょしょくパッケージ?は、魚触ブース?水揚げされた魚に触る?、魚色ブース?食育玩具を用いた魚の解体?、魚職ブース?一本釣り模擬体験?の三つのブースを児童が巡回する体験学習であり、子どもたちに人気で、内容的にも評価の高い授業である。 そこで実際に、?ぎょしょく教育?を推進されている愛南町立城辺小学校校長・木原要子先生と栄養教諭・原田光香先生に話をお聞きした。原田先生 子どもたちに、魚に親しんでもらうため、毎月10日を?魚魚?とと?の日?とし、給食の献立に、愛南町産の水産物を取り入れるようにしています。今月の魚にしています。このようにして給食でも?ぎょしょく教育?をバックアップできれば、と思っています。木原先生 低学年向けの授業ですと、?ちりめんモンスター探し?があります。これは、ちりめんじゃこの中に混在する小さな雑魚を見つける授業です。海にはこんなに小さな生物がいて、一生懸命大きくなって海にいる魚になる、ということを理解させることが目的です。子どもたちは目を輝かせてちりめんモンスター探しに夢中です。また、?鯛中鯛?たいのたい?を探そう!?は、毎年1月に実施しています。これは、給食でタイのかまの塩焼きが出され、身をきれいに食べながらタイの形をした骨を探すというものです。最初は探すのに手間取っていた子どもたちですが、今ではあっという間に見つけてしまいます。きれいに食べないと見つけにくいので、ていねいに食べるようになりますし、箸の使い方も学べます。このような体験によって、魚の命をいただいていることに対するありがたさを実感し、感謝の気持ちをもてるようになります。また、5年生の体験授業ではカツオの一本釣りを疑似体験するのですが、模型とはいえとても重たく、教科書で習うだけでは得られない体験ができるのも魅力です。また、地場産業のこと、そこで働く人の苦労や工夫などを主として愛南のよさを調べ、そのことがキャリア教育にもつながっていきます。 子どもたちが?ぎょしょく教育?のなかで、地域と結びつきながら?こんな活動ができた!?という自信をもち、自分たちが考えて工夫すればいろんなことが広がっていくんだという喜びにつながります。そういったことを小学校のころから大切にしていくと、地域を大切にするようになり、大人になったときにもいろいろなことに取り組んでいけるようになるのではないかと思います。一つひとつは小さな取り組みですが、そういうのが?ぎょしょく教育?のよいところですね。これは、連携している愛南町役場、愛媛大学や、水産関連の会社が、子どもたちに協力してくれます。?ぎょしょく教育?発祥の地として、全国に発信してきた成果を常々感じています。3 おわりに 今後、愛南町の漁業者が消費地で魚の魅力を語り、水産の現場と食卓を結びつけ、?愛南に行っておいしい魚を食べてみたい!?と思ってもらえるような取り組みをもっともっとすすめていきたいという。より効果的な授業メニューや教材の開発をはじめ、?ぎょしょく教育?をテーマにしたマイスター認定制度の創設、修学旅行や産地交流型ツアーなど、新たな挑戦へのアイデアはつきない。研究と実践マダイの養殖場を見学し,水産業に関する現場をめぐる。養殖場のほかに,市場で出荷場やセリなどを見学することもある。愛南町産のタイを使ったタイのかまの塩焼きが給食メニューに。これを食べながら「鯛中鯛」を探す。お話を伺った愛南町立城辺小学校校長・木原要子先生(右)と栄養教諭の原田光香先生。研究と実践11