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概要

生活&総合navi vol.73

学校・家庭・地域の連携で教育力の向上を九州女子短期大学 子ども健康学科教授大江康夫 先生留意すべき事象は生じていないか。保護者や地域住民からの?学校?への期待に対して、明確な根拠や対応をもとにして積極的・継続的に回答・解決を行っているか。 学校というところ、子どもたちが集うからこそ、そこにある。教師たるもの、学びを確かなものにと、一層の研鑽を積まねばなるまい。そして、子どもたちをさらに伸ばすには、保護者との確かな信頼関係を築くことが不可欠である。 例えば、保護者との連携・協力の具体的な手立てに?学級懇談会の活性化?をあげて考えてみたい。近頃では、保護者があまり学校に足を運ばないといったことをよく聞く。しかしながら、入学式や運動会・学習発表会などでの保護者の動きはどうだろう。家族そろって?、ビデオ片手に?、我先にと陣取って?と、いかにも子煩悩な保護者の姿がそこには見られよう。つまりは、授業参観が終わると潮が引くようにさっといなくなり、わずかに残った保護者と担任教師だけで懇談するといった実態をこそ改善し、学級の保護者がみなして集まり、担任教師とともに率直に話し合う機会を実現することが大切なのである。そして、そこでは、教師は学級経営の内容を具体的に伝えたり、必要に応じて保護者に協力を求めたり助言を与えたり、また、場合によっては保護者からの要望を聞いたり苦言を受けたりすることも有用であろう。すなわち、学級全体で直接的に交流の場をもってかかわりを深めるということが、問題事象の未然防止や早期解決に結びつくにちがいない。4 学校・家庭・地域の連携・協力をこそ 子どもたちを健やかに育むために、地域全体で学校を支えることができるよう、学校・家庭・地域が連携する体制を構築していくことが大切である。地域住民による学習支援活動や安全確保のための活動等への積極的な学校支援の取り組みや、望ましい生活環境づくりのための家庭教育支援への取り組みは、学校教育と社会教育の新たな関係を築いていくといった意味からも極めて重要である。 かつて、現教育改革が示された際に中央教育審議会答申?平成20年?において、そのめざすべき施目の前の子どもたちの笑顔のために,地域全体で学校を支えること。学級懇談会の活性化は,保護者との連携・協力の手立ての一つ。今こそ、学校へ行こう!策の方向性の一つに?社会全体の教育力の向上?があげられ、地域の教育力の向上が一層必要であると提言された。これからの子どもたちが身に付けるべき?生きる力?を育むための環境づくりについては、学校や各家庭のみならず社会全体で取り組む必要があり、学校・家庭・地域がそれぞれの教育機能を発揮して連携・協働をさらに広げながら、その認識を共有していくことが求められる。 今こそ、学校を取り巻く人たち一人ひとりが、心新たにして学校とのかかわりをより深めていこうではないか。?今こそ、学校へ行こう!?が問われている。生活・総合への提言15