ブックタイトル生活&総合navi vol.73
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生活&総合navi vol.73
早稲田大学教育・総合科学学術院教授。博士(教育学)。1958年千葉県生まれ。茨城大学助教授などを歴任。ジョン・デューイの哲学と教育学を研究。藤井 千春「友だちに自慢できる自分だけのもの」という意識を持たせて活動させれば,子どもたちの取り組みは意欲的になる。(日本文教出版 平成27年度版生活教科書 上P.79) 子どもが抱く,「不思議だ」という素朴な疑問は,科学性の芽生えである。それでは,どのようなときに「不思議さ」を感じるのだろうか。それは,例えば草花の世話をしたり,小さな動物を育てたりして,動植物に深くかかわる体験をしたときなどである。 ヒマワリの種子を土にまいて世話をすれば,やがて力強く土を持ち上げて子葉が開く。茎は日に日にぐんぐん伸びて,子どもの背丈を追い越してしまう。盛夏の頃には見上げるほどの大きさに成長する。種子の芽生えから成長・開花・結実に至るまでの変化に,子どもとともに驚きながら,命がつながっていくことの不思議さを実感させたいものである。上越教育大学大学院教授。1952年,岡山県生まれ。専門は理科教育学。タンポポの教材化に関する研究で,兵庫教育大学から博士(学校教育学)を取得。小林 辰至命がつながっていくことの「不思議さ」を実感させることで,それが科学性の芽生えにつながる。1. 子どもの「不思議だ」という疑問は科学性の芽生え。2. 子どもは,動植物にかかわる体験から「不思議さ」を感じる。3. 子どもとともに変化に驚きながら「不思議さ」を実感させる。POINT1. 1年生ではグループ活動を急がない。2.「 自分は何をどのようにして」という主体意識をもてるようにする。3. 子どもどうしが刺激し合えるように場を構成する。POINTCD33341日文教育資料[生活・総合]平成29年(2017年)3月21日発行生活&総合navi vol.73Cover photo:KONISHI TAKASHIDesign:KURAHASHI JUNPE(I PRO-1) 1年生の生活科の活動では,グループ活動を急いではいけない。この段階では,「自分は何をどのような方法でやり遂げたいのか」という,自分独自の目標と方法を設定し,自分の力でやり遂げようとする意欲を育てることが必要である。そのようにして「取り組む主体である自分」を意識させて,自立への基礎を固める。しかし,子どもたちを個々ばらばらに活動させるのではない。「友だちに自慢できる自分だけのもの」にするという意識をもたせることで,子どもたちのそれぞれの取り組みは意欲的になる。お互いのやり方を観察し,いいところを真似する,違いを出そうと対抗するなど,相互の刺激し合いを引き出すことが支援のポイントとなる。集団活動の中で個の自立を促すのである。