ブックタイトル生活&総合navi vol.73
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生活&総合navi vol.73
写真展を開く道の駅にて,写真展を開催。客寄せ,写真の説明も行う。※3~5は,対象を変えて繰り返し活動する。児童にタブレットとパソコンのどちらか好きな方を選ばせると,パソコンを選ぶ。キーボードで打つことがしっくりくると感じたようだ。パンフレット作成4でつくったデータを流用し,さらに今までの取材をパンフレットにまとめる。読者発表会(プレゼンテーション)地域の方を招き,タブレットを使ってプレゼンテーションを行う。ICT活用とメディアリテラシー このプロジェクトでは、タブレットとノートパソコンを活用している。昨今、便利なため学校でのタブレット利用が進んでいるが、この活動はタブレットだけでは絶対にできない。レイアウトを考えながらキャプションや記事を書くには、タブレットではなく、ある程度画面の大きいパソコンが必要だ。ただし、プレゼンテーションはタブレットでないとスムーズなズームができない。そういうICTの特性を子どもたちにも感じさせながら、目的によってメディアを使い分けることが重要である。 中川先生がメディアリテラシー教育において特に意識していることは二つある。一つは、子どもにしっかりと発信させ、書く内容に責任をもたせること。もう一つは、複数の先生が協同するということ。下名小学校では、学年解体してチームを組んで総合活動を行っている。よって、活動がそのまま教員研修も兼ねることになり、質の高いICTやソフトの使い方を示すことができるのである。 子どもは実際に記事にする決められたフレームに当てはめようとすると、写真の全体を撮ることが大事ということが体でわかるようになる。そういうところはメディアリテラシーとしてすごく意識をしているところでもある。つくったデータは使い倒せ 取材メモ、撮影した写真、写真展に向けてつくった作品のデータはとことん再利用する。それをいろいろなかたちで出力、編集していく。それによってできたものがパンフレットであったり、プレゼンテーション資料であったりする。都度一からつくる必要がないので時短につながるし、負担を軽減できる。子どもたちはこれまでにつくったものを何度も使うことで、自分の作品に愛着をもつ。年に三回、取材から写真展まで、同じことを繰り返しながらグレードアップできたのは、このおかげである。短縮した時間は、その分、活動の回数を増やし、学びを深めることにあてることができる。子どもたちにも先生にも双方にメリットがあると言えよう。本物のもつ力は大きい 中川先生は、?教育は子どもたちの生きる力のためにある。?と考え、できるだけ本物に触れさせるということを大事にしてきた。発達段階を考えた場合、ダミーで行うこともあるが、本物で実践すると子どもの本気度がちがう。だから、地域にある本物を使いつつ、本物に近づけるようにしていきたい。写真であれば小学生でも扱いやすく、本物に近づきやすい。デジタルカメラは今やどこの学校でもあるので、どの先生、どの学校でもすぐに実践できる。撮ったものをどういう風に生かすか、表現方法を変えることで、よりおもしろい活動になる。?かっこよく?、?センスよく?仕上げるという表現方法、その感覚が?本物?に近付くことであろう。センスは本物に触れないと磨けない。だから本物に触れさせることを活動に生かすのである。学校現場では,総合学習に限らず,多くの学習活動の中でデジカメを使うと思います。記録手段としてだけではなく,表現手段としてとらえることのできる活動を,総合学習でやっておくことはとても大切なことだと考えます。1965年徳島県生まれ。徳島県内の公立小学校の教員として約30年勤務。複数の学校のほか,教育ネットワークセンター,教育研究所研究員,主幹教諭を経て,現職。総務省地域情報化アドバイザ,教育情報化コーディネータ1級。教育の情報化や情報教育などを専門としている。徳島県三好市下名小学校 教頭中なか川がわ 斉ひと史し先生[特集]キャプションにこだわると写真が変わる・取材が変わる5