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概要

生活&総合navi vol.73

TSUNAGU SCHOOL vol.02 カリキュラムマネジメント(以下,カリマネ)には「学校のカリマネ」「各教科等のカリマネ」「学年のカリマネ」「学級のカリマネ」といった「教師の指導のカリマネ」に対して,「子ども一人一人の学びのカリマネ」があり,カリマネの最終ゴールと考える。 今次学習指導要領改訂では,先行き不透明な時代を生き抜くとともに未来の社会を創るこれからの子どもたちに求められる資質・能力として,①「何を理解しているか,何ができるか(生きて働く「知識・技能」の習得)」,②「理解していること・できることをどう使うか(未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力等」の育成)」,③「どのように社会・世界とかかわり,よりよい人生を送るか(学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力・人間性等」の涵養)」の三つを示している。 単元や授業の終末部分で行われる子どもによる振り返りも同様である。例えば,「森と川と海がつながっていて,森を大切にすることで海が豊かになることがわかりました(振り返り①),「森チームや川チーム,生きものチームなどが調べてきたことを発表し合ってつなげたから関係がわかりました(振り返り②),「これからもいろいろなことを比べたりつなげたりして考えていきたいと思いました(振り返り③)」といった「育成を目指す資質・能力の三つの柱」に則した振り返りが期待される。このような振り返りを通して新たな気付きや意欲・期待が芽生え,次の学習課題の設定や学習活動の見通しへとつながる。 そして,「育成を目指す資質・能力の三つの柱」を踏まえた振り返りを核とした「子ども一人一人の学びのカリマネ」のpdcaサイクル を繰り返すことで様々な課題に対し学び続ける子どもが育ってくる。カリキュラムマネジメントの最終ゴールは子ども一人一人の学びのカリマネ村川先生のカリキュラムマネジメントゼミCurriculum management seminar鳴門教育大学大学院教授。専門は教育工学,カリキュラム開発,生活科・総合的な学習。近著に『ワークショップ型教員研修 はじめの一歩』(教育開発研究所)がある。村川 雅弘[ 子どものカリマネのpdcaサイクル ]a:振り返りによる新たな気付きと学びへの意欲・期待p:学習課題の設定と学習活動への見通しd:学習活動学習によって得た新たな考え方や自分自身のよさや生き方に関わることc:振り返り③アクティブ・ラーニングを通して、思考・判断・表現したことc:振り返り②学習課題に対して、理解したこと・できたことc:振り返り①育成を目指す資質・能力の三つの柱③ 学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力・人間性の涵養① 生きて働く知識・技能の習得② 未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力等の育成(八釼・村川・三田 2016)■ 地域や子どもの実態に基づき学校のカリマネを作成する■ 学校のカリマネを踏まえて各教科等や学級などのカリマネを作成する■ 子 ども一人一人の学びのカリマネを計画的に支援するMANAGEMENT POINT 常に子ども一人一人の学びを意識する 「社会に開かれた教育課程」の実現,つまり社会とのつながりを重視し学校の特色づくりを図りながら,現実社会とのかかわりの中で子ども一人一人の豊かな学び(資質・能力の育成)を実現するためには,地域や子どもの実態に基づき学校のカリマネを計画することが求められる。その上で,各教科等の当該の単元や学級の子どもの実態に応じたカリマネの計画,実施,評価,改善を行う。例えば,身近な川を対象に環境問題に取り組む上で,子どもの既有の知識・技能や体験を踏まえて,目標や内容,活動を設定し,学習環境や支援体制を整え(P),実施し(D),見直し改善を図る(CA)。こうした教師の一連の指導を通して,子ども一人一人が自ら課題を立て(p),他者との主体的で対話的なかかわりを通して追究しながら深く学んでいく(d)とともに,自己の成長を自覚し(c),次への学びへとつなげていく(a)。「社会に開かれた教育課程」「カリキュラム・マネジメント」「主体的・対話的で深い学び」「育成を目指す資質・能力」との相関図(八釼・村川 2017)「育成を目指す資質・能力」(育ち)PDCA「教師の指導のカリマネ」のPDCA学校のカリマネ各教科等のカリマネ学年のカリマネ学級のカリマネ子ども一人一人の学びのカリマネ「社会に開かれた教育課程」pa dc「主体的・対話的で深い学び」=アクティブ・ラーニング「子ども一人一人の学びのカリマネ」のpdca   「カリキュラム・マネジメント」(学び)村川先生のカリキュラムマネジメントゼミ6