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概要

生活&総合navi vol.75

? よいところを見つけ伝える?理由を伝えるいいとこ見っけ“四つの対話アイテム”で主体的に学び合う江谷 鮎美岡山県真庭市立中ちゅう和か小学校教諭 3・4年担任教師は、子どもたちの対話を見取り、深めたい場面で学習者の一員として?おたずね?をする。また黒板に発言を整理し、不思議や気付きが生まれるような工夫をする。こうして四つの対話アイテムを意識して学び合うことで、子どもたちは受け身の学習から主体的な学習へと変化していった。2 対話する力を育てるには 主体的・対話的で深い学びには一足飛びではたどり着かない。子どもたちが主体的に学び合うようになるために、四つの対話アイテムを活用して次のようなスモールステップで対話する力を引き出し育てていった。a 教師主導で対話をつなぐ?先生からおたずねがあります。??この考えの良いところを教えてください。?など、まずは教師が対話アイテムを意識的に授業に取り入れた。教師主導の学び合いの中に対話的な要素を取り入れたのだ。子どもたちは教師に促されながら発言をつなぎ始めた。b 対話のハンドルを渡すここから発想の転換がいる。教師は子ども自身が発言をつなげようとする姿を辛抱強く見守り、励まし続ける。?〇〇さんの考えを聴いて、みんなはどう?いいなと思うことはない???おたずねしたいことはないかな。?など、学びの主体は子どもたちであることを1 対話する子どもたち 3・4年生の総合では、子どもたちが新聞記者となり地域のお宝を探って新聞にまとめ、発信・交流していく。この過程でこれまでの体験をもとに地域のお宝"人と自然のありがとうのつながり"について編集会議を行った。?昔は人と自然のありがとうのつながりがたくさんあったと思う。??昔もありがとうのつながりがあったけど、今もありがとうのつながりがあると思う。??今はどんなありがとうのつながりがあるの???今も自然が残っているから?人は自然に?ありがとうだと思う。??今は草を薬に使わないし牛も使わないから、今は昔に比べありがとうのつながりはなくなったんじゃないかな???私はなくなってないと思う。??昔はスイッチ一つでできるものがなかったから、ありがとうのつながりが多かったと思う。??二人は深い?おたずね?にこたえてすごいな。??ありがとう。? これは、総合の整理・分析の授業における子どもどうしの対話である。子どもたちは"四つの対話アイテム"を意識して対話している。四つの対話アイテムとは、?自分の考え??いいとこ見っけ??おたずね??おたすけ?の四つに整理した?対話の方位磁針?である。意識してはたらきかける。帰りの会や掃除の振り返りなどで?いいとこ見っけ?を取り入れ、何でも言える学習集団づくりも行った。c 子どもどうしの対話を育てる?友だちの考えをよく聴いているね。??おたずねをしたら深まったね。??自分の考えしか発言がなかったね。おたずねやおたすけに挑戦してみよう。?授業の中で対話アイテムを使った学び合いが見られるようになってきた段階で、教師は授業における対話の質や構造を見取り、学び合いの姿を子どもたちにフィードバックしていく。そうすることで学び合いを子どもたちのものにしていった。d 深い学びに向かう 四つの対話アイテムで対話を引主体的・対話的で深い学びの現場から「どうして,ありがとうのつながりがあると思うの?」「記事のこの部分に人は牛や馬のおかげで生活できたと書いてあるからです。」「おたすけしてください。」四つの対話アイテムを使って自分たちで学び合う。黒板にアイテムカードを貼って活用をうながす。学び合いのエンジンは子どもたちの対話する力主体的な対話を促す「対話の方位磁針」 子どもたちの主体的に対話する力が学び合いを高める四つの対話アイテム友だちの考えのよい所を見つけて伝えたり,友だちの考えに付け足したり,自分なりの言葉で言い直したりして学び合いをたすけることで考えが広がり,活発な対話が生まれる。?付け足し?わかりやすく言い直す?似ているところ?違うところ ?別の考え?新たなアイデア?提案おたすけおたすけいいとこ見っけ自分の考えを伝えたり,理解するためにわからないことをたずねたり,疑問を全体へ投げかけたりすることで,考えを深めることができる。自分の考えおたずね自分の考え? 常に考えをもち積極的に表す?理由を伝える ?感じたこと  ?考えたこと?気付いたこと ?見つけたことい~ね考えを深める考えを広げるおたずね?みんなにたずねたいこと ?質問?疑問 ?なぜ ?不思議 ?問い直し教えて研究と実践10