ブックタイトル生活&総合navi vol.76 2020年度版生活科教科書特集号

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生活&総合navi vol.76 2020年度版生活科教科書特集号

新版特集生活科教科書かな?」、「これを伝えたいな」、「もっとやってみよう」という三つのポイントを、子どもにも理解しやすいよう、アイコン付きで載せたわけです。小単元の最初で、この「学習のめあて」を見ておくと、先生にはその小単元でおさえるべきポイントが、子どもたちには、その小単元で「何をどう学ぶのか」が、はっきりわかると思います。これらの「めあて」は、活動の「評価」にもつながるので、活動をやり終えたあとで、また確認してもいいですね。個人的には、先生が評価するためというより、子どもどうしの評価、あるいは子ども自身が自らの成長を評価するために、使っ動への流れを意識しました。「子どもがこういう振り返りをしたら、きっと次にこう言うと思う」という流れです。子どもの姿を思い浮かべながら、そこが自然な流れとしてつながっていくように、配慮しました。石堂場面構成のなかで、どう次へつないでいくのかも、ずっと考え続けましたよね。基本は生活科にある「学びの連続性」。これは総合的な学習の時間にも、他の教科にもつながっていきます。学びがずっとつながっていくことが、子どもたちにも先生にも、確実にイメージできる教科書を目指したわけです。下巻14・15ページは、「みんながつかう場所へ行ってみよう」という小単元です。生活科では、地域のいろいろな場所へ施設訪問をしますが、あらかじめ用意した「問い」とは別に、その場へ行ったことで生まれる気付きもたくさんあります。15ページでは、図書室を訪問し、たくさんの本がぎっしり棚に並んでいるのを見た子どもが、「(図書室に)本は何さつあるのかな?」と振り返る。そして次のページをパッとめくると、次の小単元が、「もういちど行ってみよう」と呼びかけてくる。気付きや疑問から、次の活動が始まっていくのです。小笠原そして「もういちど行ってみよう」では、今度は図書室で働く人との関わりが出てきます。てもらえたらと思っています。小笠原現場の先生たちみんな「学習のめあて」を、子どもの言葉で伝えたいということで考えが一致しました。例をあげると、上巻60ページ、「なつをもっとたのしもう」の小単元は、「なつのひには、どんなことをたのしめるかな」、「なつだからできるあそびはなにかな」、「どうすればもっとたのしくあそべるかな」の三つが、「学習のめあて」です。山中自校の先生たちが授業を参観に来たときにも、めあてとルーブリックの応用は、必ず見せています。先生私の学校でも、最初の訪問では、そこに置いてあるものへの気付きが多かった。でも、「もういちど行ってみよう」で再訪問すると、この図書室にはこんなにすてきな人がいるんだと、関心が"人"へと広がってきました。そういう流れも、今回の教科書では上手におさえられたと思います。石堂見学に行ったあと、一人ひとり感想を書くじゃないですか。その一人ひとりの振り返りが、みんなの気付きになっていくという流れもありますよ。「みんながつかう場所へ行ってみよう」、「もういちど行ってみよう」と学びを重ねて、次に来る「たんけんをふりかえろう」(下巻18・19ページ)に、にも子どもにも、わかりやすい評価の規準になりますからね。とはいえ、ルーブリックをつくるのはなかなか難しいので、この教科書では、「学習のめあて」をどんどん活用してもらいたいと思います。子どもたちは学び方を学び、先生の負担は軽減する石堂ところで、授業づくりで一番難しいのは、「問い」のつくり方ですよね。若い先生が一番困るのもこの部分です。そこで下巻58・59ページを見てください。見開き左上、「生きもののひみつをつたえよう」とありますが、このタイトルは、本時で何をすべきかが端的にわかるようになっています。それからタイトルのすぐ下には、黒い大きな文字で、「子どもの思いや願い」が必ず書いてあります。ここでは「わかりやすくつたえたいな」とあるのがそれですね。この部分は、先生が子どもたちの気持ちを感じ取るための、ヒントにもなると思います。これに「学習のめあて」を加えて授業の構成を考えていくと、授業準備を効率化して、先生の負担も軽減できるし、なおかつ授業の質も担保できます。山中黒板にその小単元のタイトそれがよく表れています。これはたまたま冒頭でも触れた、板書のイラストが掲載されているページですが、一人ひとりの気付きを、黒板のYチャートに分類しながらまとめることで、みんなの気付きに変えていく授業の様子が描かれています。シンプルだけれど、とても重要な流れです。山中今回の教科書では、見開きページの右下に、随所で「ふりかえり」カードを載せて課題を示し、そこから次の学習につなぐ流れをつくるようにしましたよね。「ふりかえり」カードは、教科書のなかの子どもたちが、活動を振り返りって書いたカードなので、それを見て自分たちもその小単元の振ル=その時間にすること、ここでは「生きもののひみつをつたえよう」を書き出し、ルーブリックとして、見開き左下の「学習のめあて」にある言葉を、書き出すことができます。教科書をもとに、すごくシンプルに、実際の授業への落とし込みができるんです。「問い」をつくるのは教師の醍醐味で、本来楽しいものですが、あまり慣れていない先生や、ベテランの先生でも時間がない場合は、我々が苦労してつくった(笑)「学習のめあて」を、どんどん活用してもらいたいと思います。それだけで、何をするのか、何を身に付けるのかが明確な授業ができますね。「めあて」をもとに話し合うと、課題も子どもたちからが出てくるようになるんですよね。「今日は何する?」と聞くだけで、あれをやろう、これをやろう、この前はこうだったから、今日はこうしてみようって、どんどんアイディアが出てくるんです。この教科書で、子どもたちに「問い」をつくる技術を学んでもらえれば、それは総合力につながっていきます。「いかに教師が課題を設定できるか」から、「教師が設定しているように見えながら、いかに子どもたち自身の発想を、課題に取り込んでいけるか」へと変わっていく。それを生活科から実現できるのです。石堂子どもたちは、生活科でやっり返りができます。もう一つ、同じく見開きページの右下に載っている「学びのまど」コーナーは、「ふりかえるつなげる」と書いてある通りで、イラストと吹き出しを使って、活動から次の課題をすくい上げたり、実生活につなげたりするためのヒントを紹介しています。石堂学習で大切なのは、学びをつなげていくことに加えて、主観をどう客観に変えていくか、いかに一人の気付きをみんなに広げていくかです。最初は教師の手立てが必要です。図書室を訪問して、子ども一人ひとりが思ったことは、断片的で、まだ共有化されていません。でも「たんけんをふりかえろう」にあるように、一人ひとりが気付いたり、思ったりした"断片"は、教室で発表して黒板に書き出すことで可視化され、みんなに"共有"されていくのです。そして、そこでもまだ終わらないのが、この教科書のおもしろいところで、下巻20・21ページの「ポケット図かん」という見開きコーナーで、「町のこともっと知りたいね」として、町にはもっともっといろんな施設があると紹介し、さらなる学習を促しているんですね。八木下巻99ページも、そのいい例です。「あそび名人になろう」という単元の最後のページなのに、右下にある「ふりかえるつなげる」の欄では、自分がつくったオモチャたことは、次に算数でも、国語でもできるようになっていきますよね。低学年ほど、活動の楽しさが学びにとって絶対的に必要だから、生活科から始めたほうが、できることがスムーズに増えていく。そういう子が3年生になると、総合的な学習の時間がスタートしても、確実に学習を自分のものにしていけます。山中そういう意味ではこの教科書って、「学び方を学ぶ教科書」でもあるんですよね。振り返りから次の学びへ。学習の流れをつくるということ小笠原教科書をつくるにあたって、私は振り返りから次の学習活2020年度版生活科教科書上巻p.60どうすればもっとたのしくあそべるかな。なつだからできるあそびはなにかな。なつのひにはどんなことをたのしめるかな。●きもちがいいよ。●どうちがうのかな。●とびかたがちがうね。●きょうはみずがすぐにきえたよ。●みずでおえかき●みずでっぽうふりかえるつなげるなつやすみにもやってみたいな。すごくあつかったけれどたのしかったね。あついときのちゅうい●こまめにみずをのむ。●ひかげでやすむ。●ぼうしをかぶる。もっとたのしくあそびたいな。なつをもっとたのしもう62ぺえじもみてねてをあらおうあれるぎいにきをつけよう●どろあそび●しゃぼんだま60 61どうすればもっとたのしくあそべるかな。なつだからできるあそびはなにかな。なつのひにはどんなことをたのしめるかな。●きもちがいいよ。●どうちがうのかな。もっとたのしくあそびたいな。●どろあそび602020年度版生活科教科書下巻p.58かいつづけるにはどうしたらいいかな。なかまのところにもどしてあげよう。わかりやすくつたえたいな。生いきものに親したしみをもってこれからも大たい切せつにしよう。かんさつをしてみつけたことをくふうしてつたえよう。生いきもののひみつをつたえよう116ページも見みてね手てをあらおう58 59この教科書で子どもたちに「問い」をつくる技術を学んでもらえれば、それは総合力につながっていきます。(山中昭岳)学びがずっとつながっていくことが子どもたちにも先生にも、確実にイメージできる教科書を目指したわけです。(石堂裕)2020年度版生活科教科書下巻p.14-15くわしく知しりたいことは何なにかな。みんなでつかう場ばしょやもののやくそくは何なにかな。●みんなであいさつをしたよ。●ようち園えんの時ときによく来きたよ。●いろいろなしゅるいの本ほんがあるね。●本ほんがさがせてべんりだね。●この数すう字じや文も字じは何なんだろう。●みんなのものを大たい切せつにつかう。●ゆっくり歩あるく。●しずかにする。しせつのつかい方かたのやくそく●地ちいきの人ひとをしょうかいするコーナーがあったよ。●このへやは何なんだろう。何なにがあるかな。本ほんは何なんさつあるのかな。みんながつかう場ばしょへ行いってみようふりかえるつなげる図と書しょ室しつはみんながつかうところなんだね。20,123ページも見みてね手てをあらおう14 15くわしく知しりたいことは何なにかな。みんなでつかう場ばしょやもののやくそくは何なにかな。●みんなであいさつをしたよ。●ようち園えんの時ときによく来きたよ。●いろいろなしゅるいの本ほんがあるね。●本ほんがさがせてべんりだね。●この数すう字じや文も字じは何なんだろう。●みんなのものを大たい切せつにつかう。●ゆっくり歩あるく。●しずかにする。しせつのつかい方かたのやくそく●地ちいきの人ひとをしょうかいするコーナーがあったよ。●このへやは何なんだろう。何なにがあるかな。本ほんは何なんさつあるのかな。みんながつかう場ばしょへ行いってみようふりかえるつなげる図と書しょ室しつはみんながつかうところなんだね。20,123ページも見みてね手てをあらおう14 15生活科が10倍楽しくなる教科書座談会授業準備を効率化して、先生の負担を軽減し、なおかつ授業の質も担保できる。生活科が10倍楽しくなる教科書11生活科が10倍楽しくなる教科書10