ブックタイトル生活&総合navi vol.76 2020年度版生活科教科書特集号

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生活&総合navi vol.76 2020年度版生活科教科書特集号

新版特集生活科教科書を手にした子どもが、「いっしょにあそぼう」と弟を誘っています。つくっただけで終わりではない、まだまだ続きがあるよ、ということなんですよね。生活科は"生活"と結びつき、3年生以降の学習にもつながる小笠原生活科では、生活を楽しく豊かにしていくことが大切です。だから山中先生がおっしゃったように、自分自身の生活に生かすことを、かなり意識したつくりになっています。石堂生活科の最大の目的は、生活者を育てることなんです。だからこそ、教室外への広がりを意識することがすごく大切です。先ほど「町たんけん」の活動の話が出ましたが、3年生の最初でも町たんけんがあるでしょ。「あ、2年生の時、ここ見たよ!」という気持ちから、3年生でもその先の学習(社会科)にすんなり入っていける。そういったつながりの一助にも、生活科はなっていると思いますね。山中段階的な学びということでは、下巻で取り組む「町たんけん」の活動を、「町たんけん1」、「町たんけん2」と、2回に分けて掲体的な学び方は、教科書できちんとおさえてあるので、この基本を押さえることで、活動を"学び"にすることができます。「うちの学校にはドングリはないけど、これがあるぞ!」というくらい、子どもたちが燃えてくれるとうれしいですよね。"板書"に、徹底してこだわった意味とは?石堂冒頭でも触れましたが、今回の教科書では、板書や教室内の掲示物に、とてもこだわりましたよね。上巻56・57ページと74ページを見てください。同じ掲示物が載っているでしょ?ある授業で使ったものを、掲示物の形を借りて、別の授業の学びのヒントにし載しています。下巻10ページから始まる「町たんけん1」では、公共施設にクラス全員で行き、町たんけんのノウハウを学ぶ。そして62ページからの「町たんけん2」では、今度はグループ単位で、町のいろんなところを訪ねてみる。その経験は、社会科にもつなげていくことができるわけです。そのための手立ても埋め込んだし、ワークシートも真似して書けるようになっている。だからとにかくこの教科書に沿って、ぜひやってみてくださいと、私は言いたい(笑)。石堂新しい学習指導要領と教科書の関係がクローズアップされた時、教科書「を」教えるんじゃなくて、教科書「で」教えるようにと、すごく強調されましたよね。まさに山中先生が今、指摘されたことです。私たちのこの教科書は、探究の"プロセス"を伝えているんです。計画を立てて、実際に町たんけんに行ってみる。課題を見つけたら、もう一度行ってみる。その流れをはっきり見せることができたのは、とても効果的でした。八木若い先生たちが、この教科書の使い方を勉強することで、ほかの教科でも、教科書のとらえ方が理解しやすくなるかもしれませんね。ているんです。上巻56ページというのは、1年生のまだ比較的早い段階で学ぶ単元なので、発達年齢を考え、幼稚園や保育所、こども園で馴染みのある絵やカードで、動植物などをグループ分けしているのも見て取れますね。いっぽう、下巻50ページを見てください。2年生の7月くらいで学ぶこの単元には、情報をマトリックスで分類した板書が掲載されています。1年生の頃と比べると、ずいぶん進歩しました。山中マトリックスは、子どもたちの思考を可視化するための、優れたツールです。低学年の子どもたちでは、ともすれば発言が空中戦のようになって、何を言っているのかわからなくなります。このページの板書は、子どもたちの思考を、子どもたち自身がきちんとわかるようにするための参考として、ぜひ教室で応用してほしいと自分の学校に合った形で教科書を使おう八木ちょっと「町たんけん」に戻ると、2回に分けて取り上げた1回目は、訪問先が図書室で、2回目は町のいろいろなお店へのグループ訪問でしょ?自分でもやってみて思ったけれど、まず公共施設、それから一般のお店という流れだと、子どもたちにも、それから先生たちにとっても、ハードルが低いのです。でき上がった教科書を見ながら、改めて本当にその通りだったなと思っています。石堂「町たんけん1」で、みんなで出かけると、この学習プロセスはこうやって動いていくんだとわかります。その後の「町たんけん2」では、グループ単位で出かけます。1と2に期間を置いて実施するようになっているので、1学期の「町たんけん1」と比べて、2学期の11月を過ぎる頃に行う「町たんけん2」では、子どもたちの思考レベルが目に見えて成長しています。ワークシートの文字量も増えるし、他の子どもの発言に同調したり、共感したりもするようになりますからね。山中こうした活動は、それぞれの学校の実態に応じて、できる範囲で行えばいいと思うんですよ。この教科書は、多様性を受け入れる教科書ですから。八木うちの学校があるのは都心思います。小笠原おもしろいことに、この下巻50ページのマトリックス、全部の項目が埋まっているわけではないんです。ここは「生きもののせわを考えよう」という小単元で、板書のマトリックスは、横軸がいろいろな生き物の名前を個別に書いた「列」、縦軸は、それぞれの生き物の飼育に必要な、容器に入れるもの、エサ、世話をするポイントを示す「行」で構成されています。でも一部のマスにしか書き込みがされていないので、メダカの世話のポイントや、アゲハチョウの餌が何かなど、空欄部分は子どもたちが考えていくことができるんですよ。石堂完成したマトリックスではなく、空欄がある状態での途中経過を見せたのがミソですよね。授業の雰囲気がリアルに伝わるし、子どもたちはきっと、「あれ?ここが抜けてるよ」と、目ざとくで、教科書に出てくるような自然環境にはないんです。ドングリを探すにも、わざわざ電車に乗って探しに出かけるしかない。でも、授業の組み立てや、その授業で何を目指すのか、子どもたちにどんな力をつけたいのか、何を評価するのかなどがわかっていれば、ドングリにこだわる必要はありません。自分の地域、自分の学校でできることで、応用すればいいのです。山中上巻の74ページから始まる、「きせつとあそぼう」の秋の単元を見てください。この単元は、「きのう、お月見をしたよ」、「なつとはちがう虫のこえがしたよ」といった、子どもたちのつぶやきからスタートしています。これは、「自分のクラスの子どもたちのつぶやきから、課題をつくっていけばいいんだよ」という、先生に対するヒントです。ドングリや大きな葉っぱが身近になくても、「学習のめあて」や具見つけますよ。そこで先生が、「本当だ、みんなはここに何が入ると思う?」と問いかけることで、学習が深まっていきます。小笠原「振り返りから次の学びへ」の話題として上がりましたが、「町たんけん」(下巻18・19ページ)でも、図書室訪問の活動後に、みんなの意見をまとめた板書が活躍しましたよね。一人ひとりの気付きを発表させながら、これは図書室の人のことだね、これは使う人のための工夫だね、これはルールやマナーのことだねと、三つに分けて、Yチャートにまとめたところを載せています。八木今回の教科書は、板書の扱い方が総じてとてもよかったと思います。他にもカードやツールを使っていたり、掲示物が載っていたりしますから、こういういろんな工夫が必要なんだという認識を、若い先生たちももってくれるのではないでしょうか。「生活科って、こんなに楽しい!」を伝える教科書に山中この教科書には、宝物がいっぱい隠れています。どうか宝探しのように使ってください。八木「この教科書、使ってみてね!絶対にいい授業がつくれるよ」。そう言って歩きたい気分です(笑)石堂1年のとき葉っぱのお面で遊んだ子が、2年生でも葉っぱのお面をつくっている。子どもは、2020年度版生活科教科書上巻p.74なつとはちがう虫むしのこえがしたよ。いえのちかくでいいにおいがするよ。こうえんへさがしにいこう。なんのにおいかな。きのうお月つき見みをしたよ。こんなのつくったよ。わたしもつくりたいな。どこでみつけたの。ようちえんのときにだんごをたべたね。出でかけるまえにかくにんしておこう●どくのある木きや草くさにさわらない。●きけんな生いきものにちかづかない。●しぜんをたいせつにしよう。きせつとあそ74過去の学びを覚えているんです。教師はそこにも気付いてあげたいですよね。この教科書に載っている写真のような場面を、自分の教室でも見かけたら、すかさず子どもをほめてあげてください。小笠原子どもたちがこの教科書を見ると、「こんなこともできるし、あんなこともできるんだ。私もやってみたい、ぼくならこうする」と思ってくれるでしょう。「子どもたちのこういう表情をたくさん見たい」と先生たちが思えるような、そういう写真や活動がたくさん載っています。先生にも子どもたちにも、「生活科ってこんなに楽しいんだ!」と感じてもらえる、この教科書がそのきっかけになることを願っています。教科書づくりにおいては、著者陣が膨大な写真点数の中からその授業、その場面に最適な一枚を選び出す作業を繰り返した。「子どもたちにどうしても伝えたいものがある。だから徹底的にこだわった」と振り返る。生いきものに合あわせてせわのしかたをくふうしよう。それぞれの生いきものがくらしていた場ばしょのようすをまとめよう。どうしたらいいのかなしめった土つちがすきなんだね。きりふきを用よういしようか。新あたらしい草くさをもっと入いれた方ほうがいいね。たくさんだっぴするなんてすごいなあ。水みず草くさをふやそうよ。生いきものの気きもちになってすんでいた場ばしょを思おもい出だしてみよう。木きの上うえ水みずの中なか草くさむらせわのしかたはそれぞれちがうのかな。生いきもののせわを考かんがえようふりかえるつなげる毎まい日にちせわをつづけていますね。手てをあらおう52?55,114ページも見みてね●もといた場ばしょへ行いく。●上じょうきゅう生せいにしつもんする。●本ほんでしらべる。50 512020年度版生活科教科書下巻p.50「生き活きうぃーくる」は、座談会に登場した4人の先生が生活科や学級経営などについてつづるブログです。次のページでは生活科の授業に役立つ各種コンテンツを紹介しています。ぜひご覧ください。https://www.nichibun-seikatsu.net/生き活きうぃーくる?Next Page生活科が10倍楽しくなる教科書座談会「学習のめあて」や具体的な学び方は、教科書できちんとおさえてある。2020年度版生活科教科書上巻p.56-57これからもきせつのちがいをみつけてたのしもう。みんながみつけたことをくらべよう。がっこうにもこうえんにもたんぽぽがあったね。いえのちかくでもみつけたよ。さいきんあめのひがおおいね。あめのひもそとであそべるかな。みんなはどんなことをみつけたのかな。あそんだことをふりかえろうふりかえるつなげる128,130ぺえじもみてね56 57これからもきせつのちがいをみつけてたのしもう。みんながみつけたことをくらべよう。がっこうにもこうえんにもたんぽぽがあったね。いえのちかくでもみつけたよ。さいきんあめのひがおおいね。あめのひもそとであそべるかな。みんなはどんなことをみつけたのかな。あそんだことをふりかえろうふりかえるつなげる128,130ぺえじもみてね56 57文・田中洋子撮影・綿貫淳弥生活科LINE@お役立ち情報をお届けします!登録はこちら!生活科が10倍楽しくなる教科書13生活科が10倍楽しくなる教科書12