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概要

社会科navi Vol.11

みんぱくワールドシネマ【第11回】イロイロぬくもりの記憶国立民族学博物館機関研究員永田貴聖【イロイロぬくもりの記憶】●DVD/\3,800(税別)2015年6月5日発売●発売:日活株式会社●販売:ビクターエンタテインメント●2013年シンガポール映画,99分監督/アンソニー・チェン(C)2013 SINGAPORE FILM COMMISSION,NP ENTERPRISE(S)PTE LTD, FISHEYEPICTURES PTE LTD受け入れ社会からみたフィリピン人メイド舞台は1997年のシンガポール。一人っ子のジャールーは共働きで多忙な両親になかなかかまってもらえず寂しさから孤独を抱えていた。小学校でも,うっぷんを晴らすためにわがままに振る舞い問題ばかり起こしていた。母親は仕事中に担任から呼び出されるなど手を焼いており,負担を減らすためにフィリピン人メイドを住み込みで雇うことを決めた。当初,ジャールーはメイドとして突然やってきたテレサにも意地悪をするなど心を開こうとしなかった。しかし,テレサが仕送り先に我が子を残しながらも,懸命にジャールーと向き合おうする姿に,自身が抱える孤独と同じものを感じるようになりやがて心を開いていった。しかし,そんな時,父親がアジア通貨危機に影響を受けた不況で会社をクビになってしまう。また,母親も息子がメイドのテレサに打ち解けるようになったことに嫉妬心を抱き始めるようになった。結局,両親は経済的にメイドを雇う余裕がなくなり,テレサは帰国することとなった。この映画は新進気鋭の若手監督アンソニー・チェンが4歳から12歳までフィリピン人メイドと一緒に暮らした経験から練られたフィクションである。「テレサ」は監督がこどもの頃ともに暮らしたメイドの名前である。また,興味深いことに映画タイトルの「イロイロ」はその「テレサ」さんの出身地の地名である。そして,監督は12歳の時,通貨危機に伴う父親の失業でメイドを雇えなくなり,親しく愛しい「テレサ」さんとの別れを経験した。16