ブックタイトル社会科navi Vol.12
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社会科navi Vol.12
特集主権者教育を考える小学校第3学年単元「私たちの生活と商店」の実践から島根県浜田市立松原小学校紙田路子1.はじめに民主主義社会において,一人ひとりの子どもが主体的に考え,合理的に意思決定できる資質を育成することが社会科のねらいである。このねらいを達成するための教育が「主権者教育」であるととらえる。本稿では,「販売と消費活動」に関わる授業実践を取り上げ,社会問題について考え判断することで,自己の判断基準を反省・吟味することのできる小学生児童の社会科授業のありかたについて提案したい。2.「販売と消費活動」に関わる学習のありかた学習指導要領社会科解説編では「販売者の側の工夫を消費者の側の工夫と関連付けて扱うようにする」とし,「販売と消費活動」を目的・手段の関係として子どもに認識させる内容になっている。しかしながら大型スーパーの進出による地域商店の衰退,それによる買い物弱者の顕在化,主に小規模小売店でみられるフェイストゥーフェイスの販売の減少による地域の人間関係の希薄化など,「販売と消費活動」はさまざまな問題をはらんでいる社会的事象でもある。このような社会問題を自らに関わる問題として認識し,「地域にとってよい商業環境とはどのようなものか」考えるためには,販売の工夫の背後にある販売者の意図を相対化し,社会生活にどのような影響を与えるのかという観点から,吟味していくことが必要となる。そこで第3学年単元「私たちの生活と商店」では,まずコンビニエンスストアとスーパーマーケットという二つの小売業態を比較・分析することで,消費者のニーズに合わせた品揃えやサービス,店舗施設等の工夫の背後にある意図を明らかにする学習活動を取り入れた。その上で,近辺に小売店みのない三ほ保みすみ三隅駅周辺地区につくるのはコンビニエンスストアがよいかスーパーマーケットがよいか評価させることで,小売店が自分たちの生活に与える影響や意義について考えさせる授業を構成した。3.第3学年単元「私たちの生活と商店」の実際(1)小売店の販売戦略を理解する「なぜコンビニエンスストアやスーパーマーケットでよく買い物をするのか」という課題解決のため,同じ観点にそって図1のように二つの小売店の工夫に関わる情報を収集した。観点コンビニエンスストアスーパーマーケット1弁当・おにぎり・惣菜・おにぎりが24種類以上ある。・麺(スパゲッティ,そば,うどん,ラーメン)の種類も多い。・お弁当の種類が多い。・お弁当やおにぎりは広島県から送られてくる。・三角おにぎりが多い。図1お店調査の結果のまとめ・揚げ物バイキングがある。・お弁当の種類は少ない(6種類)・麺類のお弁当がない。・バックヤードでお弁当をつくっている。・おにぎりも4種類しかない。・丸いおにぎり。2からあげ・・からあげが4種類あった。・からあげはバイキングの一フランクフ・フランクフルトもある。部であった。(味は1種類)ルト・フランクフルトはない。3野菜・弁当やサラダ用に切ってある野菜が多い。・種類は少ない。4牛乳5肉・魚・果物とまぜてある牛乳が多い。・おいてある牛乳は9種類。・生の魚より調理してある魚や切ってある魚が多い。・お店で売る野菜は1年を通して100種類以上ある。・丸々1個売っている野菜がほとんど。・21種類の牛乳がある。いろいろなサイズがそろっている。・肉と魚を合わせると50種類をこえた。・バックヤードで魚をさばいたり,肉の固まりを切ったりしていた。6冷凍食品・電子レンジでチンしたら・お弁当に入れる食材が多い。すぐに食べられるものが・冷凍食品の種類が多い。多い。・冷蔵庫の中にわかりやすく並べてある。よく売れるも・からあげくん・豆腐の・セブンカフェよくお客さん・昼・朝(高齢者が特に多い)がくる時間帯・夕方10