ブックタイトル社会科navi Vol.12
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社会科navi Vol.12
ICT教育最前線デジタル教科書が教育に何をもたらすか?~新しい学びと変わらない学び~日本文教出版㈱ICT事業部1.教科書は「変わらない」?小学校・中学校の教科書は時代に応じてさまざまに変化している。といっても,ここで話題にするのは体裁のことである。社会科という教科が初めて日本に誕生したのは戦後であるが,その当時の教科書は本文が縦書きであった。いまからすると,縦書きとは国語のように思えて教えにくそうな印象だが,当時としてはそれが普通だった。いまではあたり前のカラーページが誕生したのも昭和40年をすぎてからで,しかも巻頭にわずかについているのみであった。さらに大きく変わるのは平成に入るころからである。戦前から横書きだった理数教科書と同様に横書きになる。判型もB5と大きくなり,全ページがカラーになった。これによってイラスト,写真も増えた。これらの変化は「昔に比べて華美になった」との批判もあるが,指導者,学習者ともに学習に利する進化であった。2.指導者用デジタル教科書は進化の一形態そのように考えれば,指導者用デジタル教科書(以下『デジタル教科書』)は実は教科書の進化の一形態なのだということもできる。教科書は大判化し図版や写真も増えて学習効果は高まった反面,「図版や写真の“ここ”に注目させたい」というときの指示に非常に困る場面も増えた。また,写真などの資料が増えたといっても,多くは細部まで見られるほどの大きさではない。社会科の『デジタル教科書』では教科書紙面の範囲を指定して拡大表示ができる上に,すべての図版や写真を単独で表示できる。著作権保護の観点から解像度に制限がある写真を除けば,画像は高精細で細部まで生徒に提示できる。さらに拡大したり,書き込んで説明したりすることも可能だ。下の図版は歴史史料であるが,『デジタル教科書』であれば教科書で説明されている一遍上人以外にも,当時の市井の人々の姿も生徒たちに見せることができる。▲「中学社会歴史的分野」デジタル教科書「踊念仏」(東京国立博物館蔵)また,教科書の資料はわかりやすく制作されているが,一方ですべてを表示してしまっている。生徒が資料の読み取りを行う際には,さまざまな情報の中から傾向を読みとり,必要な情報に気づかなければならない。資料の読み取り自体は社会科の重要な技能の一▲「中学社会地理的分野」デジタル教科書P.197教科書の図版自体もわかりやすく制作されている。14