ブックタイトル社会科NAVI Vol.13
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社会科NAVI Vol.13
中学校編中学生にとって社会科はどんな教科?●大阪教育大学・大阪成蹊大学非常勤講師丹松美代志●中学生は社会科が好き?嫌い?中学生は社会科をどう捉えているのでしょうか。下のグラフは,文部科学省がベネッセに委託して調査した児童・生徒の教科の好き嫌いについてのものです。●教科の好き嫌い(「とても好き」「まあ好き」の合計)9080706050403020100小4小5小6中1中2中3グラフからわかるように,社会科が「とても好き」「まあ好き」と答えた中学3年生は40%を切っています。ということは,60%を超す生徒が社会科嫌いということになります。私たちが社会科の授業を考えるとき,この現実を直視する必要があります。では,社会科はどんな教科と言えるでしょうか。「先生,社会科はどうして学ばなければならないんですか。覚えることが山のようにあってたいへんです。できればやりたくないですが…。」こんな生徒の疑問に,あなたはどう答えますか。小・中学校の学習指導要領では,社会科の教科目標は「公民的資質の基礎を養う」となっています。また,全国社会科教育学会は『社会科教育実践ハンドブック』(2011年,明治図書)の中で,社会科の目標と学力について,次のように示しています。第1は,「社会をしる」ための力の育成第2は,「社会がわかる」ための力の育成国語社会算数,数学理科音楽図画工作,美術家庭,技術・家庭体育,保健体育道徳の時間総合的な学習の時間外国語(英語など)出展:平成16・17年度文部科学省委託調査報告書「義務教育に関する意識調査中間報告書」(平成17年6月株式会社ベネッセコーポレーション)第3は,「社会に生きる」「社会をつくる」ための力の育成この社会を「しる・わかる・つくる」が,社会科の教科目標ということになります。つまり,社会科は世の中と直結した教科だといえます。問題なのは,私たちが進めている日々の授業が世の中と直結したものになっているかどうかです。生徒の生活と結びついている,校区の課題とつながっている,今日のわが国の課題と重なっている,国際間の今日的課題につながっている,生徒が将来を考える上で多くの示唆が得られる,というような授業内容になっているでしょうか。●教科と実社会とのつながり教室での学びが社会とつながってないのは,社会科に限った課題ではありません。2014年11月に文部科学省は次の学習指導要領の改訂に向けて,中央教育審議会に以下のような諮問をしました。ある事柄に関する知識の伝達だけに偏らず,学ぶことと社会とのつながりをより意識した教育を行い,子供たちがそうした教育のプロセスを通じて,基礎的な知識・技能を習得するとともに,実社会や実生活の中でそれらを活用しながら,自ら課題を発見し,その解決に向けて主体的・協働的に探究し,学びの成果等を表現し,更に実践に生かしていけるようにする。これは,新しい時代に必要となる資質・能力の育成,いわゆるアクティブ・ラーニングの姿を示したものです。どのようにすれば,生徒がこのような資質・能力を培わせることができるのか,このシリーズで一緒に考えていきましょう。社会科NAVI 2016 vol.13 13