ブックタイトル社会科NAVI Vol.13
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社会科NAVI Vol.13
現代社会ウォッチングvol.1外国からみる日本の政治ー中国からみる(その1)●筑波大学大学院教授辻中豊国を比較する視点の大切さ面積では日本の26倍,アメリカとほぼ同じ,人口は日本の11倍,アメリカの4倍の中国。経済規模(国内総生産)は,2010年に日本に追いつき,今は2倍に近いとされるこの隣国から日本の政治をみてみましょう。残念ながら社会科の教科書に中国の利益集団と市民社会は,おそらくどの国でも,他の国と比較するという視点はあまりありません。私の経験では,比較の中に自らの国をおいて初めて,ひとつひとつの制度や組織,行動の意味が「目から鱗が落ちる」かのように体感されるのです。グローバル化した現代社会では,毎日のように外国のニュースが飛び込んできます。中国については,大学のキャンパスでも有名な観光地やショッピングセンターでも中国からの人々がずいぶん目につくようになっています。爆発的な買い物,「爆買い」や領土や教科書をめぐる日中の中国と日本の政治を比べる,という発想は20年前の著者にはありませんでした。アメリカやヨーロッパ諸国,また韓国や台湾とは比較研究をし始めていましたが,中国は何か不思議な隣りの大国で,政治の仕組み,体制が社会主義ですので,日本とは根本的に違うということ,1980年代にずいぶん仲良くなって,90年代には好感度は少し落ちたものの,どんどん付き合いが増えているのはいいことだ,というぐらいの意識しかありませんでした。中国からの留学生も当時はおらず,ほとん問題,春先には黄砂,冬にはPM2.5など話題になることも多くなっていますが,実はお互いの政治についてはあまり知りあっていないようです。といっても私も中国政治の専門家ではないのですが,ふとしたことから中国の市民社会や政治を調べるようになり,2年前に『現代中国の市民社会・利益団体―比較の中の中国』という本を編著(木鐸社)で出(%)908070605040302010アメリカ中国ロシア韓国版しました。今夏,中国語で出版(社会科学文献出版社)さ019781980 19851990 1995 2000 2005 2010 2016(年)れます。図1.中国に対する日本人の意識の推移(内閣府「外交に関する世論調査」)18社会科NAVI 2016 vol.13