ブックタイトル社会科NAVI Vol.13

概要

社会科NAVI Vol.13

長崎近代交流史と孫文・梅屋庄吉ミュージアム●長崎県文化振興課主任学芸員齋藤義朗孫文と梅屋庄吉・トク夫妻（1914〔大正3〕年3月，撮影地：東京）〈小坂文乃氏蔵〉?長崎県では，2011（平成23）年が中国の辛亥革命から100周年にあたることを契機に，その指スンウェン導者として知られる孫文（1866そんぶん～1925）と，長崎出身の実うめやしょうきち業家・梅屋庄吉（1868～1934）との間に芽生えた，国境を越えた友情の歴史に光をあて，2 010（平成2 2）年から「孫文・梅屋庄吉と長崎」プロジェクトとして，顕彰と情報発信に努めています。2014（平成26）年4月26日には，長崎に現存する洋館としては最大級の旧香港上海銀行長崎支店（国重要文化財，1904年建築）に〈長崎近代交流史と孫文・梅屋庄吉ミュージアム〉を新たに開設しました。銀行として使用されていた当時の雰囲気を伝える空間のなかで，中国革命の父・孫文と，その思想に深く共鳴し，盟友として物心両面から生涯にわたり支援し続けた梅屋庄吉との厚い友情を，各種展示資料やタブレット端末・映像装置類から知ることができます。孫文は58年の生涯のうち10年近くを日本で過ごし，長崎には9回にわたり訪問しました。孫文と梅屋の二人にゆかりある「長崎」についてミュージアムでは，唐人貿易の時代からつながりをもつ▲旧香港上海銀行長崎支店（国重要文化財）▲大正期の香港上海銀行長崎支店〈齋藤義朗蔵〉20社会科NAVI 2016 vol.13