ブックタイトル社会科NAVI Vol.13
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社会科NAVI Vol.13
たちのゲーム進行上の工夫から学習問題を見出すこと3未来志向型社会科への転換前掲の「論点整理」によると,アクティブ・ラーニングも含めた指導方法の不断の見直しが求められている。そのために三つの視点が挙げられているが,特徴的なのは,「子供たちが見通しを持って粘り強く取り組み,自らの学習活動を振り返って次につなげる,主体的な学びの過程が実現できているかどうか」という視点が入っていることである。実社会や実生活に関わる主題を取り入れることが,子供の学びに向かう力を刺激するために重要とされている。社会科で取り上げる実社会の課題の多くは,一面的な見方では解決できない。多様な立場や考えがあることを理解し,多角的・多面的に考察することが必ができる。「どう工夫したか」が「実際にはどう工夫しているか」に変わり,従業員の労働環境や環境保全への取り組みなどの観点が加わって「どう工夫すべきか」へとつながる。また,下の写真は,タブレット端末を活用して互いの考えを共有している場面である。ペアやグループ,全体での話し合いでは難しい,学級のみんながどんな考えを持っているかを即時的に可視化することが可能となる。これも,それぞれのこれからへの「構想」を全体で共有し,多様な考えがあることを理解する手立ての一つである。これらの例のような改善を学習過程に加えるなど,単元構成に不断の見直しをかけていきたい。ゆえに,私は思考力・判断力・表現力等を育成するために,社会のこれからを考える「未来志向型」の単元へと転換を図っていくことを提案する。要である。そうした「考察」の上に,「これから」を考える「構想」を学習過程に取り入れることが,主体的な学びの過程の実現につながる。それは,これまで大切にされてきた課題解決の流れを「未来志向」にアレンジすることである。例えば,上の写真は課題把握場面にシミュレーションゲームを取り入れたものである※3。自動車工場や第1次,第2次関連工場の立場に分かれ,また,同時に自動車を購入する消費者の立場にもなって行う。自分※1文部科学省中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会教育課程企画特別部会「教育課程企画特別部会における論点整理について(報告)」※2同上社会・地理歴史・公民ワーキンググループ(第11回)配布資料10「社会,地理歴史,公民における思考力,判断力,表現力等の育成のイメージ(たたき台)」※3拙稿「体験と言語を結び付ける社会科の授業づくり?シミュレーション・ゲームによる問題決定場面の授業開発を通して?」日本社会科教育学会全国大会発表論文集第9号(2013)P.78-79●丸野亨(まるのとおる)小学校教員として20年目を迎えます。授業は子供と教師が共同でつくるものと考えます。ゲームや遊び,プロジェクト学習の手法を用いて,行為志向的な授業構成でコミュニケーションを促すことにチャレンジしています。社会科NAVI 2016 vol.13 5