ブックタイトル社会科NAVI Vol.14
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社会科NAVI Vol.14
リレーエッセイ子どもたちの夜明けとは広島大学准教授永田忠道4年前に現在の所属先に着任して,本学の広報紙の取材を受けることがあった。研究の内容についての話が中心ではあったが,好きな言葉や苦手なものなども聞かれて,後日に担当された広報の方から,次のような主題で広報紙に掲載したいとの連絡がきた。その主題が「生きづらさを抱える子どもたちに夜明けを」であった。提案された主題に対する最初の印象は「なぜ?」であったが,その後の広報の方とのやり取りを通して,そして,いま振り返っても拙い私の永田忠道(ながたただみち)専門分野/教育学,社会認識教育学主要著書/『地域からの社会科の探究』(日本文教出版,2014年),『大正自由教育期における社会系教科授業改革の研究』(風間書房,2006年)日本文教出版『小学社会』教科書著者話から,実に見事に主題と内容の整理をしてくださったと思うようになった。正直に言うと,自分自身が進めてきた研究の内容に,「生きづらさを抱える子どもたちに夜明けを」という発想を意識することは全くなかった。そのために,提案された主題に最初は戸惑いもあったが,よくよく考えてみると,この意識なしに自身の研究を進める意味はどこにあるのか,と恥ずかしい気持ちにもさせられた。社会科を中心にしながら,生活科や総合的な学習に関しても現場の先生方の営みを比較教育実践史的に考察する先には,提案された主題への方策をこそ,導き出すことが求められているのだと,痛感させられた。学校で学ぶ子どもたちは,大なり小なり,それぞれに何らかの「生きづらさを抱える」存在である。生きづらさの原因は,個人や家庭とともに,子どもたちが生活している社会にもそれぞれ包含されている。生活科から社会科そして総合的な学習の中で,かかわりや気付きをもとに,様々な問題解決と探究を進める中で,子どもたちは各々の「夜明け」を追い求めているとも考えられる。子どもたちにとっての「夜明け」とは。そこへ向けた方策とは。今後も考え続けていきたい。社会科NAVI 2016 vol.14 3