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概要

社会科NAVI Vol.14

授業力アップをめざす先生のための小学校編社会科の基礎・基本とは・・・?●國學院大學教授安野功社会科の授業づくりにおいて,単元の学習を通して子どもに何を学ばせるのか,どんな力を育てるのかを明らかにすることが,まず必要です。そうした,いわば授業づくりの基礎研究の拠り所となるのが学習指導要領及びその解説(以下,「解説」)です。ここには,社会科の目標及び内容,各学年の目標及び内容など社会科の基礎・基本が簡潔に示されているからです。それだけではありません。「解説」には,学習活動の具体例など,授業づくりに生かせる沢山のヒントが盛り込まれているのです。ところが,社会科の日々の授業づくりにおいて「解説」が十分に活用されているとは言い難い実態が多くの学校で見られます。その要因の一つとしてよく耳にするのが,「解説」をどのように読んで理解・活用すればよいのか分かり難いという正直な悩みです。そこで今回は,「解説」の読み方のポイントについて具体例を挙げて述べていきます。そのポイントとは,次に示す文型(文章の表現上のきまり)を理解した上で,ラインマーカー等で色分けしながら各学年の内容を正確に読み取ることです。[A]について,次のことを[B]して調べ,[C]を考えるようにする。ア[D]イ[D]■「解説」(第3・4学年)34~38ページ(4)地域社会における災害及び事故の防止について,次のことを見学,調査したり資料を活用したりして調べ,人々の安全を守るための関係機関の働きとそこに従事している人々や地域の人々の工夫や努力を考えるようにする。ア関係機関は地域の人々と協力して,災害や事故の防止に努めていること。イ関係の諸機関が相互に連携して,緊急に対処する体制をとっていること。まずは,調べる具体的な対象(青)です。「解説」を熟読すれば,アでは,「関係機関と地域の人々と4 4 4 4 4 4 4の協力による未然の防止(予防や発生時に対する備え)」が,イでは,「緊急事態(火災など)の発生時における関係の諸機関相互の連携(プレー)による一刻を争う対処」がそれぞれポイントであると読み解くことができます。次に,学習の仕方(緑)です。「解説」では,地域の消防署見学を通した施設・設備の観察や働く人からの聞き取り調査,地域における日頃の備え調べ等の効果的な学習の仕方のヒントを例示しています。最後に,考えさせること(赤)です。「解説」では,「平素からの災害や事故防止,緊急事態の発生時における一刻を争う対処などに見られる関係機関(消防署や警察署,市役所)に従事する人々の働きと消防団などの諸団体との協力関係などの工夫(知恵)や努力上の[]内のAからDは,それぞれ次のような事柄(汗)」がポイントであると読み解くことができます。を表しています。それを,例えば()内の色で塗りなお,「解説」は税込み定価121円と超安価。文部分けながら「解説」を読み解いていくのです。A=学習のテーマ(黄)B=学習の仕方(緑)C=考えさせること(赤)D=調べる具体的な対象(青)それでは,上記の文型を具体例に当てはめてみます。科学省のホームページでも閲覧できます。授業づくりのヒント集といった感覚で活用して欲しいものです。「解説」は,授業づくりの基礎・基本&ヒント集6社会科NAVI 2016 vol.14