ブックタイトル社会科NAVI Vol.15
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社会科NAVI Vol.15
社会科での主体的・対話的で深い学び●関西大学教授黒上晴夫1次回の学習指導要領の改訂は,これまでになく大きなものになるようだ。特に高等学校では,地理の後継となる「地理総合」,日本史と世界史を総合的に学ぶ「歴史総合」,これらそれぞれの発展的な科目としての「地理探究」「日本史探究」「世界史探究」,現代社会,倫理,政治・経済よりなる公民科の科目を統合したものとして「公共」が創設される。改訂に向けての「審議まとめ」(9月9日)には,例えば世界史探究の探究例として,があがっている。これらが活動として示されているのは,学習を行う主体が生徒だからである。高等学校の社会科の授業風景は,教科書の内容をコンパクトにまとめた資料を配付し,重要事項がどれかを示しながら解説を加える,教師主導のものがイメージされる。しかし,このような活動を行うとすれば,生徒自身が,資料を読み込みながらオリジナルな地図を作成したり,スライド資料を示しながらプレゼンテーションを行ったりするような風景に変わりそうだ。2社会科の学習活動●仏像が誕生し日本に伝来した歴史を整理し地図上でわかりやすく表現したり,農民反乱や人の移動と,気候の変化を関連付けて説明したりする活動●旅行家の記録を読み諸地域の様子を整理し交易活動などを地図を用いてまとめたり,各世紀の地図を作成し時代像を発表したりする活動主体的・対話的で深い学び高等学校では,科目変更という形で生徒中心的な学習への移行が目に見える。しかし,実は小・中学校でも同様の変化が求められている。それが,「主体的・対話的で深い学び」というキーワードである。?主体的な学び「主体的な学び」について,審議のまとめでは●学習課題を把握しその解決への見通しをもつ●学習過程の中で動機付けや方向付けを重視する●学習内容・活動に応じた振り返りの場面を設定して表現を促すことが重要だとされている。ここで,課題についてのイメージを確認しておく必要がある。次の指導要領では,学習内容が,「知識・理解」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力・人間性」の三つの柱によって記述されるということである。従来も,これらは評価の観点として意識されてはきた。しかし,それらすべてを内容,さらに言うなら指導事項として捉え直すということである。それで何が変わるのか。例えば,全国統一についての学習で,信長の業績について説明するという「思考力・判断力・表現力」に関わる活動があったとしても,教科書や資料からワークシートを埋める活動が想定されていたりする。しかしその説明は,掲載されていた事実を整理して説明するだけに終わりがちだ。それに対して,「信長の急激な勢力拡大の理由を,自分なりの視点を決めて論理的に説明する」というように指導事項が示されることになる。つまりは,何を考えるべきか,それをどのように示すかなどを,具体的に示すことになる。そして,実際の学習場面では,それが確実に起こるように,展開をデザインしなければならない。自分なりの考えを提示するためには,それ4社会科NAVI 2017 vol.15