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概要

社会科NAVI Vol.16

授業力アップをめざす先生のための 前号に引き続き,安野流の教科書活用法を紹介します。今回は,教師の効果的な教科書活用法(教科書の読み解き方)がテーマです。ポイントは三つあります。 一つ目は,社会科の教科書が「問い」と「資料・本文」,それ以外の「いろいろなコーナー(学び方・調べ方コーナー,キーワード,考えるヒント等)」で構成されているという紙面づくりの約束をおさえることです。 二つ目は,「問い」(見開き2ページ左の子どもの「?」)に着目し,単元全体を通して子どもに期待する問題意識の流れ(問題解決のストーリー)を想い描くことです。これを行うことで,単元レベルの指導計画の大まかな流れがイメージできるのです。 例えば,第5学年小単元「自然災害から人々を守る」では,次のような「問い」の流れで,子どもが問題を追究・解決していきます。 「日本では,どんな自然災害がおこっているのだろう?」?(日本の国土では,いつでも,どこでも,だれでも,自然災害の被害にあうかもしれない!)?「なぜ,日本では自然災害が多いのだろう?」?(気候や地形が関係しているのか!)?(中略)?「自然災害から命を守るために,わたしたちに何ができるのだろう?」 三つ目は,見開き2ページの紙面を以下の手順で分析し,1時間の授業の流れと資料提示や発問等を考え,子どもの多様な反応に備えることです。 ア 本文を一度,通読する。?イ 資料に通し番号をつける。?ウ 本文中で,資料から子どもに見つけさせたい事実,それらをもとに考えさせたいことが書かれた言葉・文章をマーカーで引く。?エ マーカーを引いた言葉・文章と関係する資料の番号をその下に記入し,本文と資料を線で結ぶ。?オ 導入で本時の「?」を引き出す資料,山場の話し合いで使う資料をどれにするかを考え,提示の仕方,発問などを考える。?カ 資料を組み込んだ板書のイメージをノートにメモする。 次号で教科書分析の オとカ を詳しく紹介します。●國學院大學教授 安野 功教科書を●教える? それとも教科書で●教える?~本当の教科書活用法 その2 ~小学校編●?●? ●?●?? ●? ●??教科書を活用し,単元を通した問題解決のストーリーと1時間の授業イメージを豊かに想い描こう!ア 本文を一度,  通読する。イ 資料に通し番号   をつける。ウ 本文中で,資料か ら子どもに見つけ させたい事実(赤  色のマーカー),そ  れらをもとに考え させたいことが書 かれた言葉・文章 ( 黄色のマーカー) をマーカーで引く。エ マーカーを引いた言葉・文章と関係 する資料の番号をその下に記入し,  本文と資料を線で結ぶ。写真提供:朝日新聞社,共同通信社14 社会科NAVI 2017 v ol.16