ブックタイトル社会科NAVI Vol.16
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社会科NAVI Vol.16
●主体的・対話的で深い学び 2020 年より小学校から順次施行される学習指導要領が告示されました。(高校用はこの秋に出される予定です。)社会科では,従来,公民的分野の現代社会をとらえる見方や考え方として「対立」と「合意」,「効率」と「公正」が示されていましたが,今回は小中を通じて全ての分野で社会の見方・考え方の育成が強調されています。 今回,2014 年の中央教育審議会(以下,中教審)への諮問文にあった「アクティブ・ラーニング」の文言はなく,「主体的・対話的で深い学び」という表現になっています。この間,何があったのでしょうか。 毎週,小中高の現場に足を運んでいる私が感じたのは,「アクティブ・ラーニング」という言葉が独り歩きして,「とにかくグループ活動を入れた授業をしたらいいんだ」という雰囲気が強かったように思います。理念のないグループ学習は,「生徒が無駄話をする」「進度が遅れる」といった課題も露呈していました。そこで,グループ学習とは何か,学び合いとは何か,について考えてみましょう。●グループ学習のめざすもの 我が国では,すでに「大正自由主義教育」の時代に小グループの活動が見られました。第二次大戦の敗戦後にも集団主義教育の立場から,「班競争」を核とする小集団の学習が盛んでした。戦前・戦後と長期にわたり国語教育の実践者であった大村はまは,次のように述べています。[橋本暢夫『「大村はま国語教室」の創造性』(2009年, 渓水社)より] 協同的学び(協働学習,協同学習,学び合い)では,小集団学習を個人作業の協同化ととらえています。[佐藤学『学校を改革する』より] 教え合いでは,良くわかっている生徒が課題を抱える生徒に一方的に教える関係になりがちです。そこで,すべての生徒を主体的・能動的な学び手に育てるには,学びに行き詰まった生徒自らが「わからないから教えて」という言葉を発することが必要です。聞かれた生徒は,単に答えを教えるのではなく,考え方や解き方を誠心誠意答えます。高い課題にチャレンジする時につぶやきが生まれ,互いの考えを交流するようになり,学び合いが生まれます。継続的・組織的な取り組みが,生徒に学びの作法を身につけさせ,対話的な深い学びを引き出します。学び合いの社会科授業とは?●大阪教育大学・大阪成蹊大学・武庫川女子大学非常勤講師 丹松 美代志中学校編■自分の話を相手の人にわかってもらうというこ と,それから人の話を自分がわかるということ などでも…グループでないとできないと思い ます。■一斉学習,グループ学習をしていても,それは 個人を伸ばすためにあるのであって,個人が伸 びなければ,社会は進んでいかないといえます。教え合いB さん● 一方的関係● 他者を信頼できない 子どもをつくる学び合い● 互恵的関係● 他者を信頼し援助を 求める力を育てる教える質問考えて回答A さんB さんA さん社会科NAVI 2017 v ol.16 15