ブックタイトル社会科NAVI Vol.16
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社会科NAVI Vol.16
アパカバール?(お元気ですか?)スラマッパギ!(おはよう)トゥリマカスィ!(ありがとう)サマサマ!(どういたしまして)インドネシア共和国で出会った人々は,みんな笑顔であいさつをする。その瞳は,驚くほど柔らかく,温かい。 私は,2017年3月14日~19日の1週間,インドネシア共和国を訪問した。この国の人口は,世界第4位の約2億5500万人,その内の約88%がイスラム教徒である。世界で最も多くのイスラム教徒が暮らす国であるが,キリスト教,ヒンドゥー教,仏教など他宗教の信仰も認めている。 世界遺産の仏教遺跡ボロブドゥール寺院では,ガイドさんのユーモア溢れる案内と観光客に物を売る人々のたくましさやひたむきさ,そこにいる誰もが互いの存在を許し合う姿に心を動かされた。 インドネシア共和国の学校は,教育省が管轄する一般校と宗教省が管轄するマドラサというイスラム系の学校がある。一般校では,週3時間宗教教育を行う。今回訪問したジョグジャカルタの公立小学校では,イスラム教徒以外の児童のために,キリスト教やヒンドゥー教,仏教を教える教員が配置され,授業が行われていた。 土曜日に訪問したスラバヤのイスラム系小学校では,プラムカ活動と呼ばれるボーイ・ガールスカウト活動に熱心に取り組む姿が見られた。インドネシア共和国のスカウト数は約890万人で世界第1位である。訪問した学校の教職員と子どもたちは揃いのスカウトの制服を着て活動していた。 4度目となるインドネシア共和国の訪問は,私の日々のものの見方や考え方,固定化されたイメージを大きく揺さぶり,問い直す機会となった。現地の人々の大らかさや温かさ,笑顔やユーモアに支えられた,たくましさやひたむきさ,そこで暮らす全ての人々を受け入れる懐の深さを感じた。インドネシア共和国の豊かさ愛知教育大学准教授 真島 聖子リレーエッセイ真島 聖子(まじま きよこ) ※写真中央専門分野/人文社会科学主要著書/「教員養成系大学における防災教育を行う教員としての資質能力育成に関する基礎的研究-大学院生による地域防災副読本『愛知防災物語』作成の試みから―」『日本教育大学協会研究年報』(共著,日本教育大学協会,2016年)「租税教育と国民主権」『探究』(愛知教育大学社会科教育学会,2016年)日本文教出版『小学社会』教科書著者社会科NAVI 2017 v ol.16 3