ブックタイトル社会科NAVI Vol.17
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社会科NAVI Vol.17
という,探究的に考えたことの密度の濃さが重要なのである。つまり,授業において,子どもたちの頭の中をアクティブにして,探究する資質・能力の育成をめざすのである。 「対話的な学び」とは,子どもたちが相互に,あるいは現実の世界の「人・もの・こと」と「かかわり合う」学習活動である。自分(たち)で設定した課題の達成という目的のもと,「問い,調べ,考え,判断し,表現する」という探究の過程で,他者とコミュニケーションして協働するという学び方である。したがって,授業において教師は,子どもたちが相互に,あるいは現実世界の「人・もの・こと」とコミュニケーションし協働する場を設定し,それを子どもたちに促進しなければならない。互恵的な相互作用の密度の濃さが重要なのである。授業において,子どもたちの「かかわり合い」をアクティブにして,課題の達成に向けて他者と協働するためにコミュニケーションできる能力の育成をめざすのである。 「深い学び」とは,自ら学ぶことへの自信を深め,その後の学びへの意欲を高めていく学習活動である。「主体的・対話的な学び」を通じて遂げられた「学び」について反省的に自己認知し,その後の学びへの基盤(意欲と自信)を形成するという学び方である。したがって,授業において教師は,子どもたちに学習活動を通じて,自分がどのように動きかかわり合うことによって,自分がどのように変わったか(成長したか)を自覚できるように支援しなければならない。そのように「振り返り」をさせることが重要である。自らの学びを密度濃いものとして自ら価値づけさせるのである。子どもたちが学びに対してアクティブにして,自ら学び自らを高めていくことのできる資質・能力の育成をめざすのである。 「新しい時代に必要となる資質・能力」とはどのような資質・能力なのか。「主体的・対話的で深い学び」の意味を考えることによって明らかにしよう。 「主体的な学び」とは,子どもが「考える」学習活動である。たんに「覚える」のではなく,問いを持ち,自ら調べて,明らかになった事実の意味について検討し,自ら知識を構築していく学び方である。つまり探究である。したがって,授業において教師は,子どもに「理解して覚える」ことではなく,「問い,調べ,考え,判断し,表現する」ことを求めなければならない。「正答」を覚えることではなく,自ら知識を求めてその構築を試みた アクティブ・ラーニングの導入が全国各地の学校で試みられている。 アクティブ・ラーニングとは,「主体的・対話的で深い学び」を遂げるための学習活動の在り方である。そのめざすところは,「新しい時代に必要となる資質・能力の育成」である。 しかし,アクティブ・ラーニングの導入として,「ペア学習」,「グループ作業」,「(ミニ)ディベート」,「ジグゾー法」など,子どもたちが動く活動を形式的に取り入れただけの授業がしばしば見られる。 もちろんそのような小手先の方法を形式的に取り入れただけでは,アクティブ・ラーニングとはいえない。重要なことは,先に述べたように,学習活動を通じて,「新しい時代に必要となる資質・能力の育成」をめざすことである。●早稲田大学教授 博士(教育学)藤井 千春資質・能力を育成するためのカリキュラム・マネジメント12アクティブ・ラーニングの形式化「主体的・対話的で深い学び」とは4 社会科NAVI 2017 v ol.17