ブックタイトル社会科NAVI Vol.18
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社会科NAVI Vol.18
かった。愛知県農業大学校での研修後に通った豊橋科学技術大学でのことである。“ スマート農業”という何やらあまり耳にしないものについて学ぶことができた。学んでいる間は,露地栽培で体力勝負の農業をしていたが限界を感じていた。そのような中,「一生の仕事=歳をとっても続けられる仕事」にするには施設園芸かつ,ITを利用して工業的に農作物を生産する手法しかないと思った。そして2015(平成27)年,スマート農業への道を歩み始めた。 さて,スマート農業とはどのような農業かご存知だろうか。一口で言うなら,予測に合わせた生産が可能(露地野菜の場合は台風や雪害などの天候被害や作業の増減が発生するため)な農業のことである。そう,体力勝負ではなく,機械を駆使して身体への負担が少ない農業のことだ。私がつくっているトマトを例に話そう。まず,土を耕す必要がない。ココ培地というものがその代わりをする。そこにはセンサーがついていて,トマトが水を1日で何CC 吸ったのかなど,コンピュータが解析し,必要な分量を常に割り出して水や 私の田舎は飛?地方である。集落の人は皆,家庭菜園をもっている。私の家も同様だ。畑の一角には,保育園のときから私専用の畑がある。親がつくってくれたのだ。それが親の教育方針だったようだ。「好きなものをつくりなさい。」と親から言われ,子どもながらに考えに考え,イチゴをつくっていた。それが楽しくてたまらなかった。そのころから,知らず知らずのうちに“ つくって食べる” という楽しさを味わっていたのかもしれない。 中学生になり,漠然と農業高校 私はそれまで旅行会社で一心不乱に働いていた。2006(平成18)年,母の遠距離介護が始まった。今まで特段考えていなかった生活が突然始まったのだ。たたみかけるように,2010(平成22)年には義母の介護手続きに走り回ることになった。忙しい毎日を過ごしているうちに自身の体調を崩し,同年に手術,そして入院,休職をせざるを得なかった。 仕事と介護の両立にモヤモヤと悩んでいたことも重なったのか,病気が再発した。そのため2011(平成23)年に再度休職の手続きを余儀なくされた。旅行会社での仕事に無力感を感じていたその時,東日本大震災が起こった。それが転機となり,もともとやりたかった農業への熱き思いが高まり,一念発起して休職を退職に切り替える決断をした。植物を育てるのがライフワーク背中を押したのは東日本大震災●すみ農園 代表 住 珠紀▲ スマート農業による作業▲ ココ培地誰もができる農業をめざして~スマート農業の取り組み~へ行きたいと思っていた。しかし,当時は女性で通っている子はおらず,親に反対をされた。今は女性が多く通っているので,驚きとともに時代の変化も感じている。 2012(平成24)年に就農した。当時は露地栽培をしていた。台風にやられたり,日照不足に悩まされたりと大変だった。それまでスマート農業については全く知らなスマート農業?愛知県瀬戸市発信地域からの●人口 129,046 人●面積 111km2 ( 平成27年現在)16 社会科NAVI 2018 v ol.18