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概要

社会科NAVI Vol.18

りを行う。人の勘ではなく,データでできる農業なのである。 就農して丸5年が経った。まだまだ規模拡大を図っていきたいと考えている。 まずはGAP(農業生産工程管 瀬戸市には数えられるぐらいしか農家がない。そう,私には今のところ競争相手がいないのだ。10月からは瀬戸市内の学校給食にハクサイを提供している。学校給食となると量が半端なく多い。そのため瀬戸市役所のアグリカルチャー推進プロジェクトチームの方々に手伝ってもらい,収穫・出荷をしている。おまけに,瀬戸市立水野小学校でゲストティーチャーもやらせていただいた。食材のハクサイとスマート農業で育ったトマトについて熱く語った。 作業は簡潔になったが,植物を観察するのはやはり人間である。植物を見る目がまだまだ養われていないので,判断が遅れてしまうことがある。 また,機械は入力をすれば指示通りに動くが,人はなかなか動かない。経費のうち人件費が最もかさむので,労務管理が一番の苦労の種である。これからのストーリーゲストティーチャーと学校給食スマート農業にも苦労はある!▲ コンピュータで管理されたトマト栽培の内容▲ スーパーで販売されるトマト▲ ゲストティーチャーとしての授業▲ 機械へのセット▲ スマート農業での収穫温度管理 暖房機温度センサーにより1 日を4 段階で温度管理ができる循環扇空気の流れが止まらないように管理。15 分単位で管理可能谷換気温度センサーにより開閉するカーテン時間により開閉する(遮光のため,保温のため)CO2 管理光合成促進機CO2センサーによりハウス内二酸化炭素を希望濃度に調整水管理潅水制御盤潅水を希望時間,希望量,肥料を希望濃度に調整して1 株ごとに配水理)に準じた作業環境をつくることだ。GAP とは, 食品安全, 環境保全,労働安全,持続可能な土地管理等について,かなり細かく決められたものである。私には縁のない話だと思っていたが,最近のニュースで私が卸している大手スーパーが将来的にGAP を採り入れている農家としかお付き合いをしないということなのだ。大手スーパーが発信すると,おそらく他も準じてくるので将来はGAPを取得していないと販路が拡大できなくなるのではないかと思っている。とは言っても,現在全国で認証を受けている割合は1%にも満たない。しかし,2020 年の東京オリンピック・パラリンピックではGAP 認証が必要不可欠になると言われており,GAP 元年の様相である。 次に,現在とほぼ同じシステムでイチゴの生産を検討している。栽培時期がトマトと同じため,そこが悩みの種である。 今後のスマート農業は,よりハイテク化すると考えられる。それを使いこなし,更なる発展を遂げていきたい。社会科NAVI 2018 v ol.18 17