ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

社会科NAVI Vol.18

日文教育資料[ 小・中学校社会]平成30年(2018年)1月31日発行CD33385社会科NAVI Vol.18 すみだ北斎美術館は,平成28年11 月22日にオープンした,葛飾北斎やその門人に関する資料作品を中心に展示する美術館である。 北斎は,1760 年に生まれ,90 年の生涯のほとんどを墨田区内で過ごした。生誕地は,当館が建つ北斎通りの周辺とされている。 当館は,かつての弘前藩津軽家の上屋敷跡地に建っている。かつて北斎が藩主に頼まれて屏風に馬の絵を描いたというエピソードが残る,ゆかりの深い場所である。 当館の常設展示室では,「すみだと北斎」の関わりを第一章として,北斎の生涯にわたる創作活動の変遷を7ブロックに分け,多言語対応タッチパネルを活用しながら代表作品を紹介している。入り口壁面には,みどころの一つである幅276㎝の「須す佐さ之の男おの命みこと厄やく神じん退たい治じ之の図ず」がある。これは,墨田区内の牛島神社に奉納された北斎86 歳の作品で,関東大震災で焼失したが,残された一枚の白黒写真を基に,現代の情報処理技術や写真解析技術を使って原寸大で推定復元したものである。 一方で,美術館の建物全体も大きなみどころになっている。世界的に著名な建築家である妹島和世氏が設計した,アルミパネルで囲われた建物は,季節や時間毎に移り込む風景や色合いを変えて独特のシルエットをつくり出す。複数のスリットで分割された建物は,街に調和しながらも近未来的な斬新さをも備える。 当館は地域に根ざした美術館を目指すことから,教育普及事業に力を入れている。なかでも,将来,世界への発信の担い手となる子供達に北斎を知ってもらいたいという願いから,児童・生徒を対象とした観覧プログラムや学校へ出張するプログラムを用意している。 近々の展示では,2月14 日から,「Hokusai Beauty ~華やぐ江戸の女たち~」展を開催する。江戸の女性の風俗を中心に,視点を変えながら北斎や弟子が描く作品を多角的に紹介する。当館は,近隣に江戸情緒や文化を伝える庭園や博物館が点在することから,共に江戸文化を発信する中で,北斎の精神を大切にしながら,常に新しいことに挑戦し続ける美術館を目指している。〒130-0014 東京都墨田区亀沢2-7-2すみだ北斎美術館 TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)公式サイト:http://hokusai-museum.jp/すみだ北斎美術館●館長 菊田 寛▲ 観覧中の小学生たち▲ 須佐之男命厄神退治之図美術館の外観?JR両国駅 JR錦糸町駅 JR総武線北斎通り蔵前橋通り都営大江戸線春日通り浅草通りたばこと塩の博物館東京スカイツリー緑図書館京葉道路浅草 墨田区役所緑橋公園すみだトリフォニーホール江戸東京博物館両国国技館? 浅草橋 ■ 東口? 新御徒町亀戸?森下▼四ツ目通り■A3出口都営地下鉄両国駅三ツ目通り清洲通りすみだ北斎美術館生誕の地で北斎を楽しむ