ブックタイトル社会科NAVI Vol.18
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社会科NAVI Vol.18
●新学習指導要領の移行期間を迎えて 2017 年3 月に告示された新学習指導要領が,いよいよ4 月より移行期間に入ります。新学習指導要領は,「主体的・対話的で深い学び」をめざしています。そこで,社会科の深い学びとは何かを探ってみたいと思います。●協同学習の視点から深い学びを探る 社会科の真正な学び,すなわち社会科ならではの,社会科らしい学びを実現するためには,「学び合う関係」と「ジャンプのある学び」( 教科書レベルを越える高いレベルの課題へのチャレンジ) が必要になります。「学び合う関係」を築くためには,自分の意見を通すことより,相手の意見を聴くことが肝要です。そして,教師には,率先して,生徒の声を聴くことが求められます。 教科書レベルを越える高い質の学び,すなわち,「深い学び」を実現するには,社会科がどんな教科かが絶えず問い直される必要があります。また,新学習指導要領の求める深い学びを実現するための社会科の見方・考え方は,「課題を追究したり解決したりする活●歴史的分野の深い学び 協同学習の理論の柱の1 つである「学習科学」では,人はどう学ぶかを研究し,学習者中心の学びを提唱しています。そこでは,歴史学者のように学習者が1次資料から歴史を読み解くことを求めています。 深い学びの例として,大阪教育大学附属平野中学校の井寄教諭(2008 年当時) の「一遍聖絵から中世社会の特色を考える」という授業(10 時間の単元) を紹介します。国宝「一遍聖絵」から4 つの場面を選び,生徒に追究させ,各自に1,000 字のレポートを作成させました。そこには「13 歳の歴史家」が誕生していました。 写真は,一遍が最初に布教のため訪れた大阪・四天王寺の門前です。今でも,この門前では彼岸の日に人々が集い,沈みゆく太陽に合掌する姿の見られることを生徒に気づかせ,現代とのつながりを示しました。生徒は,一遍聖絵を通して,中世社会と対話し,深い学びを実現しました。社会科の深い学びを創る●大阪教育大学・大阪成蹊大学・武庫川女子大学非常勤講師 丹松 美代志中学校編動において,社会的事象等の意味や意義,特色や相互の関連を考察したり,社会に見られる課題を把握して,その解決に向けて構想したりする際の視点や方法である」としています( 中学校学習指導要領社会 解説編)。■[授業成立の要件]?教科による?佐藤 学『学校を改革する』(2012)をベースに作成社会科の真正な学び社会科はどんな教科か社会の見方・考え方ジャンプのある学び学び合う関係(聴き合う関係)学びが成立する条件社会科NAVI 2018 v ol.18 9