ブックタイトル社会科NAVI Vol.19
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社会科NAVI Vol.19
岩手県釜石市発信地域からの●人口 36,802 人●面積 440km2 ( 平成27年現在) 釜石市は,1857(安政4)年,盛岡藩士の大島高たか任とうが我が国初の洋式高炉による連続出しゅっ銑せん※を成功し,これを記念して12 月1 日が「鉄の記念日」に定められるなど,近代製鉄発祥の地として知られている。また,日本人によって作られた海図第1号は釜石港であり,鉄道も新橋⇔横浜間,京都⇔神戸間に続いて,日本で3 番目に開通している(鉱山専用鉄道)。まさに日本の近代化の礎となったまちである。2015(平成27)年には,釜石市内の橋野鉄鉱山が「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼,造船,石炭産業」の構成資産として世界遺産に登録された。 太平洋戦争では2 度の艦砲射撃で市の中心部が壊滅状態になるなど,日本の近代化の歩みとともに発展した釜石は,日本の縮図そ 2011(平成23)年3 月11 日,三陸沖を震源地として釜石市に震度6 弱の地震が発生し,間もなく,場所によっては遡上高が19 mを越える津波が襲来し,1,000 人以上の尊い生命が犠牲となった。市内の避難者は1 万人弱を数え,住家の約3 割が被災し,全事業所のうち浸水範囲の事業所が6 割弱にも及んだ。また,漁船のほとんどが被災するという未曾有の被害がもたらされた。 釜石市では2004(平成16)年以降,防災教育に取り組んできた。鵜うの住すまい居小学校,釜石東中学校の子どもたちは,「想定を信じるな」「最善を尽くせ」「率先避難者たれ」の津波避難3 原則を学校の授業のなかで学び,避難のあり方や津波の恐ろしさを身につけてきた。そのため東日本大震災の発生後,予め決めていた避難場所まですぐさま移動したのだ。その後,津波の高さが一般的な高さとは思えないと判断し,子どもたちはさらに高台へ移動した。その間,中学生の釜石の歴史東日本大震災の発生防災教育がもたらしたもの●釜石市 総務企画部 総合政策課▲ 橋野高炉跡三番高炉(国史跡)▲ 東日本大震災 浜町避難道路から臨む防災教育とラグビーワールドカップ2O19TM開催で発信する東日本大震災からの復興のものと言えるのではないだろうか。16 社会科NAVI 2018 v ol.19