ブックタイトル社会科NAVI Vol.19
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社会科NAVI Vol.19
vol.3わたしの社会貢献 石巻市立鹿か妻づま小学校では,大震災の約1年後の2012 年度から復興マップづくりに取り組んでいる。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン,東北大学災害科学国際研究所のメンバーと一緒に筆者も当初からこの支援に関わってきた。この取組を始めるにあたって,当時4 学年担任の先生方と何度も打合せを行った。震災で学区のほとんどが浸水し特に沿岸部がひどく被災したことから,「震災後の1年間,学校では地震,津波といったことには一切触れることができなかったが,子どもたちはこれにきちんと向き合い今後の人生の糧にしてほしい」と先生方は話された。そして,現実の状況は厳しいがこれを肯定的に捉えられる取組にするため,「復興マップ」づくりとした。大まかな流れは, 2017 年度の鹿妻小では,東日本大震災について知り,各自の家からの避難について考える取組が行われた。4年生は大震災についてほとんど知らな▲ 石巻市立鹿妻小学校 復興マップ まちあるきの様子(2013 年)●山形大学教授 村山 良之小学校から中学校への展開鹿妻小学校4年生の取組自らの防災に役立てる取組へ地図の見方等の授業(筆者担当)やチェックポイントとルートの確認等のオリエンテーション,まちあるき,マップづくり,成果発表(他学年,保護者等対象)である。子どもたちは復興の目撃者であり,成果物のマップやまちあるきで撮影された写真は貴重な記録になることも期待された。まちあるきでは,危険や不安に思う場所やものだけでなく,震災の後に新しくできたもの,震災の前からあったもので被害を受けたが直されたもの,いま建設中,修理中のもの,復興準備中のところ(がれきがなくなって整理された「更地」は復興のスタート),その他みんなが特に気付いた場所やもの(楽しい,きれい,自慢できる場所やもの)を見つけて,写真とともにマップに書き込んだ。継続するなかで,前年の写真やマップとの比較もできた。徐々に大学関係者の関わりを薄めてきたこともあって年度によってその取組の内容はかなり異なるが,鹿妻小ではマップづくりが4年生の総合の時間において継続的に行われている。石巻市における復興・防災マップづくり6 社会科NAVI 2018 v ol.19