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概要

社会科NAVI Vol.20

vol.4わたしの社会貢献 2006 年「経済教育ネットワーク」という任意団体が発足した。設立を主導し,代表となったのは篠原総一同志社大学教授(当時)。副理事長は大竹文雄大阪大学教授で,筆者も発足当初から理事の一人として活動している。会則には以下のとおり会の目的が定められている。『本会は,経済教育を実践している様々な活動主体を「ゆるやかな」ネットワークの下で結びつけ,それぞれの教育事業の向上を支援し,特に経済教育に関する情報の収集と発信などの面で日本におけるワンストップ・サービスを提供することを目的とする。』 主な活動内容は4 つある。まずは部会を,定期的に各所で開いている。東京部会はほぼ毎月開かれ,出席者は15 ~ 20名。大阪では2ヶ月に1度,札幌では4ヶ月に1度の頻度で開かれ,いずれも15名前後が出席している。部会では,2 時間あまりをかけて,授業実践報告や新しい授業提案,経済教育に関する情報交換などが行われている。部会相互でも交流を促しており,面白そうな実践については,他の部会に出向いて報告をしてもらっている。部会の後は懇親会が開かれ,率直な意見交換の場となっている。 第2に,最も大規模な活動として「先生のための「夏休み経済教室」」を東京証券取引所と共催している。2008 年から始められ,近年は名古屋,大阪,東京高校教員向け,東京中学校教員向けの順番に,それぞれ2日間ずつ計8日間開催しており,のべ1000人近い教師が参加する一大事業となった。 「夏休み経済教室」では,参加者の授業づくりに役立つように,優れた実践報告や新しい試みの紹介が最も多く行われている。専門家による「教科書を読み解くシリーズ」や,歴史事象を経済の視点からとらえる「歴史シリーズ」は,参加者からの評価が高いプログラムである。その他,有名なエコノミストによる,最先端の経済学の考え方の紹介や,最新の時事問題の解説なども行っている。講師の方々には,中学・高校の教育現場を意識してくださるよう,時には事前に中学・高校の教科書をご覧いただいた経済教育ネットワークがつなぐ社会科教育▲ 経済教育ネットワークHP(http://www.econ-edu.net/)ネットワークの活動内容●同志社大学教授 野間 敏克 個人会費は無料の会員組織であり,個人会員の数が2018 年の段階で約400人,最も多いのは中学校,高等学校の社会科教師であるが,家庭科教師や小学校教師もみられる。われわれ大学教員,教科書会社をはじめとする教育産業,証券取引所,シンクタンク,コンサル,文科省関係者,大学生や大学院生など,会則にあるとおり様々な活動主体から成り立っている。ただし,以下に紹介する活動のすべてについて,会員登録をしていなくても参加することができる。経済教育ネットワークとは12 社会科NAVI 2018 v ol.20