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概要

社会科NAVI Vol.20

野間 敏克(のま としかつ)大学では「現代経済入門」「金融政策」などの授業を担当。地域金融を専門とし,主論文に「地方銀行パフォーマンスと地域経済」筒井・植村編『リレーションシップバンキングと地域金融』(日本経済新聞社)所収,主著に『金融の仕組みと働き』(共著,有斐閣)などがある。● 団体発足から13 年目を迎え,出会う教師たちの年齢層がずいぶん若くなった印象である。学習指導要領の変化にみられるように,授業で求められるものは変わってきている。それにも関わらず,学校現場では社会科や公民科について相談できる同僚や先輩がいないとの話も聞く。また,授業以外でしなければならない事が増え,どの先生も忙しそうだ。「経済教育ネットワーク」での活動を通して,先生方の負担を減らし,授業作りに役立つような情報を収集し発信することを,続けられるところまで続けたいと思う。うえで,講演をお願いしている。 ネットワーク発足当初は,大学教員が直接中学・高校に出かけて生徒に経済の話をしようとしていた。教科書の解説や最新の話題紹介ができると考えていたのである。けれども,ふだん大教室で講義をしている者が,40人の教室で生徒に教えようとしても,中高の先生のようにはうまく伝わらない。身の程をわきまえ,大学教員が生徒に直接話すよりも,現場教師を通して間接的に経済教育に役立てばよいと考えた結果が,この夏休み経済教室になり,それなりの成果をあげていると思う。 第3に,年1 回の年次大会でシンポジウムを行っている。毎年,教師からの要望も聞きながらテーマを定め,基調講演,パネル討論,参加者との意見交換を行っている。近年の共通テーマには「中・高の新学習指導要領を経済教育から解剖する」「主権者教育:経済の視点から」「経済教育と法教育の対話」などが並んでいる。 第4に,北海道から沖縄までの日本各地でワークショップを開いている。内容や規模は様々で,今年は1 月に那覇で「経済から地理を学ぶ・歴史を学ぶ」などをテーマに開催され,10月には北見で「交通の経済学」などをテーマに開催が予定されている。部会や経済教室で知り合った,全国各地の先生方とのネットワークが少しずつ広がっている。 部会以外の活動では,できるだけ教育委員会等の▲ 先生のための「夏休み経済教室」の様子(2018年)後援を受け,先生方が研修として参加しやすいようにしている。たとえば東京での夏の経済教室では,文科省,東京都と近隣県の教育委員会,全国および東京の社会科教育研究会,金融広報中央委員会などの後援を受けている。今後について社会科NAVI 2018 v ol.20 13