ブックタイトル社会科NAVI Vol.20
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社会科NAVI Vol.20
ワールドシネマみんぱくvol.20 「彷徨える河」●国立民族学博物館 助教 八木 百合子舞あらすじ台はコロンビア南東部のアマゾン上流域。異なる時代にそこを訪れた二人の白人探検家と先住民男性カラマカテとの出会いが生み出した物語である。二人の白人のうち,最初にやって来たのが,ドイツ人民族学者のテオドールだ。20世紀初頭,彼は先住民出身の青年マンドゥカとともにアマゾンで民族調査を続けていた。だが,その途中,重い病に侵され,瀕死の状態で辿り着いたのが,シャーマンであるカラマカテの元だった。そして,カラマカテの導きにより,幻の聖なる植物ヤクルナを探して,ともにジャングル深奥への旅路につくことになる。部族の仲間を失い,孤独に森をさまよっていたカラマカテは当初,白人に対して半信半疑であったが,旅が進むにつれ,しだいに打ち解けてゆくのだった。 それから約30年後,テオドールが残した記録を手に同地へと足を踏み? Ciudad Lunar Producciones2015 年 コロンビア・ベネズエラ・アルゼンチン映画 124分監督/シーロ・ゲーラ入れたのが,アメリカ人植物学者エヴァンだ。彼はそこで偶然にもテオドールが出会ったのと同じ先住民男性に遭遇するのである。数十年の時を経て,二人の白人の記憶を結びつける存在となるのが,カラマカテなのだ。しかしその頃,カラマカテはもうシャーマンとしての知識や記憶もおぼろげな古老と化していた。そんな「チュジャチャキ(記憶を失い,中身のない存在)」のような自分を嘆き悲しみつつも,カラマカテは白人が欲して止まない幻の植物のありかを知る唯一の人間として,かの地に向け旅に出る。 二つの旅のなかで彼らは,ゴム採集により荒廃した居住地や先住民の文明化を高らかにうたうキリスト教の布教区の姿を目の当たりにする。マンドゥカやカラマカテは,ゴム農場主による虐待や侵略者により村を滅ぼされた過去をもつ。ときおり,白人に対する憎悪や疑念を見せながらも,彼らは祖先から受け継いだ知識を後世に伝える最後の手段として,白人探検家が残す記録の重要性に理解を示す。そして,長【DVD 発売中】価格 :¥3,800(税抜)発売元:トレノバ販売元:ポニーキャニオン品番 :PCBE-55716本編時間:124 分14 社会科NAVI 2018 v ol.20