ブックタイトル社会科NAVI Vol.20
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社会科NAVI Vol.20
わたしたちのくらしと日本国憲法小単元事例日本国憲法と政治のしくみ 第6学年社会科において,今回の学習指導要領の改訂の要点は,何といっても内容構成が変わり政治学習が歴史学習の前におかれたこと。その政治学習においても,先に「日本国憲法や立法,行政,司法の三権と国民生活に関する内容」が示され,「国や地方公共団体の政治の取組に関する内容」と順序が変わったことであろう。それは,政治の働きへの関心を高めることともに,6年社会科に一つの筋道ができたことだと考えられる。現在の政治のしくみを学習し,それが日本の歴史の中でどのように獲得されてきたかを学び,国際社会での我が国の役割を考えることを経て,わたしたちの未来を見据えていくことができると考えられるからである。 ただ,すべてを網羅することはできないので,ここでは政治学習に絞っていきたい。 本稿では,政治学習のうち,大単元の導入から,特に,日本国憲法と政治のしくみについての学習を想定した小単元の実践について提案したい。 平成27年版『小学社会6年』では,憲法と政治の学習は下巻に収録されている。大単元「わたしたちのくらしと政治」の第1小単元「わたしたちの願いと政治のはたらき」が最初におかれているが,学習指導要領改訂に合わせて,第2単元「わたしたちのくらしと憲法」のなかの,憲法の三原則(国民主権,基本的人権の尊重,平和主義)と,わが国の政治のしくみ(国会,内閣,裁判所)とを一つの小単元と想定し,実践してみたい。 まず,大単元の導入で,首相や地方公共団体の長の写真を提示し人物から学習に入る。どちらも国,地方公共団体というまとまりを治めている人物であることをおさえ,そこに3年生から5年生までの既習内容のうち,政治,法やきまりにかかわる内容を,写真等を活用し想起させる。このとき,「政治」の定義について説明しておく。今後繰り返し出てくる言葉についてはっきりさせておくことが子どもたちの学習の支えとなる。その後,小単元の導入において,首相などが日本国憲法を基に政治をおこなっていることを知らせる。あえて,先に政治と日本国憲法に繋がりがあることをつかませることで,子どもの生活と政治や日本国憲法との繋がりに疑問をもたせる布石のようにする。 次に,日本国憲法が最高法規であること,基本的な考え方である三原則等について調べさせる。「憲法記念日」にからめると,学習時期もふまえ,効果的であると考える。 後半では,身近な公共施設等を取り上げ,子供の日常生活と政治や日本国憲法とのギャップから疑問をもたせ,学習問題を見出して学習を展開していく。政治をおこなう人物や日本国憲法と子供をうまくつなぎ合わせることができれば,その学習がぐっと身近になると考える。ここで日常生活に根差した学習を展開することで,このあとに続く国や地方公共団体政治の働きの学習の理解がより深まると思われる。 小単元の終末において,例えば模擬選挙をしたり,模擬裁判員裁判をしたりする活動を設定することで,自分たちにできることを考えさせたい。( 仲)「政治」から始まり「歴史」を通して「未来」へ繋がる6年社会科小単元終末の活動について社会科NAVI 2018 v ol.20 7